ラストアルバム
前回から間が空いてしまいました。
今日はプリプリの最後のスタジオ作品である『The Last Princess』を紹介します。
前作『Majestic』は印象に残る曲が少なく、アルバムとしての完成度も低く、ファンとしてもとても残念な出来だったのですが、彼女たちのラストを飾る本作はどうでしょうか・・・?
レビュー
PRINCESS PRINCESS『The Last Princess』(1995年)
(1)Bye Bye
(2)プロポーズ
(3)渚は涙のパラダイス
(4)ガラクタヲ吹キ飛バセ
(5)Hello!!
(6)ひまわりとカーディガン
(7)恋はカンターレ
(8)純愛
(9)まわれ!メリーゴーランド
(10)Fly Baby Fly
奥居香(vo、g)
中山加奈子(g)
渡辺敦子(b)
今野登茂子(key)
富田京子(ds)
お気に入り度:
★★★★★ ★★★(8/10)
アルバムはしっとりした曲調のミディアムチューン「Bye Bye」で幕を開けるのですが、これがなかなか良いです! 往年のプリプリ・サウンドとはちょっと違うので戸惑うファンもいるかも知れませんが・・・。奥居香さん作曲。
2曲目の「プロポーズ」はミディアムロックで、彼女達らしからぬマイナー調の歌メロが逆に新鮮です。サックスも曲にマッチしている。奥居香さん作曲。
3曲目の「渚は涙のパラダイス」は渡辺敦子作曲で、もろ昭和の歌謡曲みたいな雰囲気と妖しさなのですが、これも曲がイイ! 奥居香さんの味のある歌い方もグッド!
4曲目「ガラクタヲ吹キ飛バセ」も渡辺敦子さん作曲ですが、ドラムレスで打ち込み主体のデジタルサウンドで仕上げています。う~ん、曲としてはイマイチですかね。
そして奥居節が光る、5曲目「Hello!」。サウンドはシンプルながらもサビのメロディは流石としか言いようがありませんね! そしてアルバムは後半へ。
穏やかに流れる優しいメロディに癒される6曲目の「ひまわりとカーディガン」も渡辺リーダー作曲です。
7曲目「恋はカンターレ」は今野登茂子さん作曲。この異国情緒溢れるサウンドには、正直驚きました。しかし、非常に良い曲ですね。ちなみに<カンターレ>とはイタリア語で<歌う>の意です。
8曲目「純愛」も奥居さんによる曲で、しっとりしたサウンドに乗る奥居節が素敵過ぎます。
9曲目「まわれ!メリーゴーランド」は中山加奈子さんによる曲ですが、ロックンロールではなくて、ポップでキャッチーなプリプリ・ソングとなっています。
そして、アルバムを締めくくる「Fly Baby Fly」はまさに往年のプリプリ・ソングとなっています。奥居節が炸裂してますね。特にAメロにやられました! やっぱりこういう曲が一番心地良いです!
まとめ
それまでのプリプリからは考えられないような曲調の楽曲が並んでいて、最初は大変驚きましたが、実は1曲1曲のクオリティは高く、流石はプリプリと納得させられました。メンバー自身も肩の力を抜いてリラックスして、遊び心を加えながら好きなように書き上げたのでしょう。
アルバムとしてみたら、まとまりに欠ける印象もありますが、最後にやりたいことをやりきった作品とも言えます。このアルバムのラストは往年のプリプリ・サウンドを継承する「Fly Baby Fly」。実に感慨深いです。