時にはとてつもない忙しさが救いになることもある。
今日はそれを実感した1日だった。
「嘘だろ・・・!」
毎朝の習慣で出勤前に車の中でSNSをチェックしていた私は、突然現れた次の見出しに絶句した。
<CHILDREN OF BODOM(チルドレン・オブ・ボドム)のギターリスト/ヴォーカリストのアレキシ・ライホが死去>
エッ?どういうこと?
急いで記事に目を走らせる。
そこにはオフィシャルの声明が書かれていた。
その内容は、
先週、フィンランドのヘルシンキにある自宅で亡くなった。アレキシは晩年、長期にわたる健康問題に苦しんでいた・・・というもの。死因は発表されていないようだった。
享年41歳。
突然突きつけられた現実に頭が混乱し、次々と涙が溢れてきた。
何てことだ・・・。
年が明けて5日目にしてこんな悲しい知らせが届くなんて。
若過ぎる・・・。早過ぎる・・・。
だって、アレキシは彼の新しいバンドBODOM AFTER MIDNIGHT初のフル・アルバムでメタル界に殴り込みをかけるんじゃなかったのか?
先月発売された『BURRN!』2021年1月号には彼のインタビューと地元で行われたBODOM AFTER MIDNIGHTのライヴレポートが掲載されており、それを読みながら、アレキシならまたやってくれるに違いないという確信めいたものを感じたものだ。
それがこんな・・・。
気が付くと遅刻ぎりぎりの時間が迫っていた。
仕事を休む訳にはいかなかったので、気持ちの整理がつかぬままに職場に向かった。
その途中でふと気づいた。
2019年の11月に当ブログで書いた、「CHILDREN OF BODOMの分裂」の記事のアクセスが急に上がったのはそのせいなのか、と。
私事だが今日はとても仕事が忙しかった。立ち止まって余計なことを考える暇もなかったのが幸いだった。
仕事が終わってから改めて深い悲しみがやってきた。
私が初めて聴いたCHILDREN OF BODOMのアルバムは2ndアルバム『Hatebreeder』。怒りに身を任せた強靭なリフが襲い掛かり、ネオクラシカルなフレーズが高速で乱舞するという、メロディック・デスメタルの真髄を極めたアルバム。
と思いきや、4作目の『Hate Crew Deathroll』においてはバンドは更なる飛躍を遂げ、より一層ブルータルさとキャッチーさが増しているという奥義を叩きつけてきた!
1999年の初来日公演のこと、今でも覚えている。
IN FLAMESのサポートアクトとして来日し、クラブチッタでライヴを行ったのだが完全にメインアクトのIN FLAMESを喰っていた。CDで聴くには演奏は上手いけど、ライヴでの演奏はボロボロ・ガタガタなんて若手バンドには良くある話。だが、彼らは違った。メンバー全員のプレイ、パフォーマンスが凄く上手くて、特にアレキシのステージングは超絶カッコ良くてカリスマ性があった。あの会場に居た誰もが、新しいギターヒーローの登場を確信したと思う。
アレキシは長年、健康問題に悩んでいたという。確かに近年のアレキシは激ヤセしていた印象がある。でも、闘病していたとか病気に悩んでいたという情報は無かったので、あまり心配はしていなかった。一番悔しいのはアレキシ本人だろうな。そして、いよいよこれからという矢先にリーダーに旅立たれたBODOM AFTER MIDNIGHTのメンバー達の悲しみやいかに。今日は世界中のHate crewがそれぞれのやり方で彼の冥福祈っていることだろう。
アレキシ、どうか安らかに。
R.I.P.
追記:2021.2.4 追悼動画をアップしました。
「Lake Bodom」Live in Japan 1999
初来日公演時の若きギターヒーローの勇姿!
「10 Unforgettable Alexi Laiho Moments」
アレキシ・ライホの忘れられない瞬間。ライヴステージの彼もそうだけど、地元の雪原でバンドメンバーと馬鹿騒ぎしてるシーンにも今となっては泣けてくる。