隠れた名盤が再発&配信で登場!
長らく廃盤となっていたLIONのデビューアルバム『Dangerous Attraction』のリマスター盤が今月の後半にリリースになります。実はこのアルバムはこれまでにも何回か再発されていたのですが、数量限定だったりして気が付いた時には手に入らなかったのです。中古でもプレミア値がついていました。頼みの配信版もずっとなかったのですが、今回のリマスターを機に・・・かどうかは知りませんが、iTunes Storeにもこのアルバムが登場しました(2ndはまだですが・・・)。
この1stアルバムをリリースする前年に、彼らはアニメーション映画『トランスフォーマー・ザ・ムービー』に主題歌「The Transformers」を提供しており、私がLIONに興味を持ったのもこの曲をラジオで聴いたことがきっかけでした。
この曲は1stアルバムには収録されることはありませんでしたが、再発の際にはボーナストラックとして収録されたこともあります。なので、中古市場を捜せば、「The Transformers」が収録されたヴァージョンを見つけることが出来るかもしれません。
これからLIONを聴いてみようと思っている方に注意して欲しいのは、今度出るリマスター盤の収録曲はオリジナル・アルバムに準じており、そこには「The Transformers」が収録されていないということです。
でも、安心して下さい。
配信版の『Dangerous Attractio』には「The Transformers」もちゃんと収録されているんです!
(私が確認したのはAmazon MusicとiTunes Storeです)
不運のバンドLION
LIONの魅力はヴォーカリストのカル・スワンの深みのある中音域を活かしたパワフルなヴォーカルとダグ・アルドリッチの表現力豊かなギタープレイが生み出すブリティッシュ風サウンドにあります。アメリカのバンドなのだけれど、サウンドが硬派でブリティッシュ寄りなのはカルが英国人だからなのかな、レコード会社やマネージメントとに恵まれず、トラブルが続いた上に、2ndアルバムリリース後にはドラマーのマーク・エドワーズがバイクレース中に首を骨折。結局バンドは解散してしまいます。その後、カルとダグはBAD MOON RISINGを結成しますがこちらもセールスには恵まれず、やがて解散。ダグはその後も音楽活動を続けていますが、カルの方は音楽業界から引退したそうです。
レビュー
LION『Dangerous Attraction』(1987年)
(1)Fatal Attraction
(2)Armed And Dangerous
(3)Hard And Heavy
(4)Never Surrender
(5)Death On Legs
(6)Powerlove(re-recording)
(7)In The Name Of Love
(8)After The Fire
(9)Shout It Out
-bonus -
(10)The Transformers(Theme)
Produced by LION
Kal Swan(vo)
Doug Aldrich(g)
Jerry Best(b)
Mark Edwards(ds)
満足度:86%
「The Transformers」目当てでiTunesの配信版を購入したのですが、良曲揃いの名盤ですねこれは! 当時、まだメタル聴きたての頃はこの正統派英国風ハードロックの良さが分からずに、地味だな~と思っていましたが、何て愚かだったのでしょう。
特にお薦めは正統派の骨太サウンドが心地良い「Fatal Attraction」、スピーディーかつ’80年代的なメタル・ギターサウンドが特徴的な「Never Surrender」、LIONにしては珍しくメジャーキーを使用した「Death On Legs」(コーラスがキャッチー!)、パワフルな「Powerlove」、哀愁のパワーバラード「In The Name Of Love」、泣きのギターメロディ満載のカッコいいハードロック「After The Fire」など。ザクザクと刻まれるメタリックなリフが聴き手に高揚感をもたらす名曲「Shout It Out」はカルの絶唱ヴォーカルがたまらないし、泣きのギターを弾きまくるダグも素晴らしい! そして隠れた名曲「The Transformers」のカッコ良さ!! ・・・って殆どがお薦めですね!!
「Powerlove」
「The Transformers」