はじめに
私が水樹奈々さんの曲を本格的に聴き始めたのは、2007年のこと。それから10年経ちました。いつもパワフルで、音楽の可能性を求めて色々なことにチャレンジしたり、直向に突き進むプロフェッショナルな姿勢には本当に頭が下がりますし、CDのリリース毎に生み出されるクオリティの高い楽曲は様々な感動をもたらしてくれました。ソロアーティストとしてデビューしたのは丁度2000年。これを書いている現時点で、オリジナル・アルバムは12枚リリースしていますが、いまだに沢山の名曲を生み出しているという事実に驚きを禁じ得ません。その中には、「これはもうハードロック!」、「こりゃもうメタルだな」って曲も存在します。今回、そういうハード&ヘヴィ、あるいはファストな曲を中心に、耳の肥えたメタラー諸氏にもきっと満足してもらえそうな20曲をチョイスしました。
メタル歴30年・水樹奈々歴10年の、メタラーが選ぶ、メタラーの為の20曲です!!
ではさっそく、行ってみましょう!!
メタラーにお薦めの奈々ソン20!
1.VIRGIN CODE
(10thアルバム『SUPERNAL LIBERTY』収録)
水樹奈々史上最速の曲!! 何と、BPM=212です!(ちなみに、X JAPANの最速曲と言われている「Stab Me In The Back」という曲はBPM=200です)10thアルバム『SUPERNAL LIBERTY』の1曲目で、初めて聴いた時、そのあまりの超クサメロ疾走チューンに、我らメタラーは悶絶! デジタル音から始まり、突然シンフォニックにクサいメロディで爆発し、ストリングスとドラムが加速しつつ、ピアノとギターが合流し、その後は奈々さんのパワフルヴォイスと共に一気に駆け抜けます! ベースラインやべぇ! 叙情的過ぎるピアノの音でフッと終わるエンディングも最高! これはパーフェクト!!!
この動画の冒頭1分39秒が「VIRGIN CODE」!
2.Orchestral Fantasia
(6thアルバム『GREAT ACTIVITY』収録)
まず、タイトルが良いですね! 名曲となるべくして付けられたタイトルです。乾いたアコギで始まるイントロ。程なくして、バンドとストリングスが爆発的に疾走開始! ヘドバン開始! ピアノやハモンドも登場し、70年代の様式美ハードロックのような緊張感もあり、歌メロもかなりクサく、これはもはやシンフォニック・メタルと言っても過言ではありますまい! もし、機会があったら、2008年にさいたまスーパーアリーナにて行われた< LIVE FORMULA>の映像を観て欲しいです。そこでは、完全に歌に入ってしまった奈々さんを観ることが出来ます。また、この曲のPVも素晴らしいですよ!
3.アパッショナート
(10thアルバム『SUPERNAL LIBERTY』収録)
タイトルの「アパッショナート」は曲想を表す言葉で、<情熱的に>とか<激しく>という意味があるそうです。どこかオリエンタルな雰囲気で始まり、ハッとするようなフラメンコギターが曲のイントロを閉じると、メタリックなギターが煽情力たっぷりに疾走開始! あまりにもスラッシーなドラムとベース! バグパイプ、アルパ、スパニッシュギターといった民族楽器の音色が次々と飛び出しますし、サビではギターが超絶タッピングを披露! それでいて奈々さんのヴォーカルは非常にメロディアス。
そう、これは水樹奈々本人がメタル曲を想定して作詞作曲した、多国籍メタル!
PVも必見ですよ!
4.Bring it on!
(6thアルバム『GREAT ACTIVITY』収録)
ヘヴィなギターリフで幕を明ける、縦ノリのハードロック! 迷わずヘドバンですな。重量感のあるリズムもメタル耳には心地好いですね。それでいて歌メロは非常にキャッチー! バックで聴けるハモンドオルガンも良いアクセントになっており、好きな人にはたまらないでしょう!
5.ミュステリオン
(8thアルバム『IMPACT EXCITER 』収録)
これもかなり速いです! メタリックなギターと重厚なリズム、そして激しいヴォーカルの疾走チューン。サビの途中で更に加速していくし、最後は転調するし、歌メロはもの凄いことになっていますね。奈々さんはこの曲を時に美しいファルセットを響かせながら、パワフルに唄いきっています!
6.DRAGONIA
(8thアルバム『IMPACT EXCITER 』収録)
デジタルビートとバンドサウンドにシンフォニックな要素を散りばめ、その上、二胡という中国の民族楽器を取り入れた、非常にスケールの大きい疾走チューンです。その曲調はまさに龍が天に昇るが如く。随所で二胡の中華フレーズが大爆発し、これまたクサいの何のって!! 奈々さんの演歌由来の力強く、説得力のあるヴォーカルがこの曲に非常にマッチしていますね!
7.残光のガイア
(5thアルバム『HYBRID UNIVERSE』収録)
イントロのケルティックな民謡フレーズを奏でるケーナとリコーダーの音色にまずは悶絶! メタル度は低く、ポップなロックって感じのミッドチューンなのですが、叙情的な民謡フレーズのおかげもあって、非常にドラマティックな世界を描き出しています。間奏のストリングスからギターソロへの展開もスリリング! PVも素晴らしい出来映えです。
8.ETERNAL BLZAZE
(5thアルバム『HYBRID UNIVERSE』収録)
さて、ここから<なのは曲>が続きます。<なのは曲>というのは、TVアニメ『魔法少女リリカルなのは』シリーズ(劇場版含む)のOP曲・挿入曲のことです。<なのは曲>の特徴を一言で言えば、シンフォニックなアレンジが施されたメロディアスでドラマティックな楽曲といったところでしょうか。また、OP曲に関しては全て奈々さん本人が作詞しており、水樹奈々さんが声を演じている、作品の主人公の1人であるフェイト・テスタロッサ目線で書かれた詞も多いです。
前置きが長くなりましたが、この「ETERNAL BLAZE」はTVアニメシリーズ2作目に当たる、『魔法少女リリカルなのはA's』のOP曲。筆者が一番好きな奈々ソンでもあります。サウンド的にメタル成分は少ないのですが、ハードなギターリフが要所をカッチリと固めています。冒頭からピアノとストリングスが美旋律を奏でながらスリリングに展開! 切ないBメロから続く、壮大で熱いサビは意外とキャッチーで、奈々さんのパワフルな歌唱と美しいファルセットが相まって、大いなる感動をもたらしてくれます。ドラマティックで美旋律満載の名曲中の名曲!! シングルカットもされ、オリコン・デイリー・チャートで初登場2位を獲得しています。
9.BRAVE PHOENIX
(5thアルバム『HYBRID UNIVERSE』収録)
『魔法少女リリカルなのはA's』の挿入歌で、物語の終盤のラスボス戦でフルで使用されました。もう、イントロのピアノの音色からして名曲の予感しまくりですが、まさにその通りの素晴らしい楽曲です。デジタルポップスな音作りながらも、素晴らしいメロディを伴って大仰に展開していくこの曲のドラマ性はメタルに通じるものがあります。
10.PHANTOM MINDS
(8thアルバム『IMPACT EXCITER 』収録)
劇場版『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』主題歌。良い意味でアニソンらしさは希薄ですね。美しいメロディを伴うストレートなシンフォニックチューンと言ったところでしょうか。優しさと力強さに満ちた、奈々さんのヴォーカルも素晴らしいです。曲調は壮大で、透明感のあるストリングスが飛翔感を演出しています。
11.BRIGHT STREAM
(9thアルバム『ROCKBOUND NEIGHBORS』収録)
劇場版『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's』主題歌。イントロからピアノとストリングスが美旋律を撒き散らし、切ない歌メロと共にシンフォニックに、ドラマティックに展開していく名曲! 先に紹介した「PHANTOM MINDS」と比べると、飛翔感やスピード感はこちらの方が上ですかね。いずれにしても、素晴らしい!!
12.Destiny's Prelude
(Bestアルバム『THE MUSEUM III』』収録)
劇場版アニメ『魔法少女リリカルなのは Reflection』主題歌。こちらもシンフォニック・チューン。美しくも物悲しいピアノに導かれて、ドラマティックなストリングスで一気に盛り上がるイントロで既にやばいです! しっとりとしたAメロ、切なさと共に加速していくBメロと来て、感動的なサビで涙腺崩壊! 奈々さんの切ないヴォーカルがたまりません! 終始、美旋律が舞う名曲。5曲続いた<なのは曲>はとりあえず、ここまで。
13.悦楽カメリア
(7thアルバム『ULTIMATE DIAMOND』収録)
和ロック! 和旋律で構成された、疾走感溢れるハードロックチューンで、ギターのリフやギターソロなどに陰陽座っぽさもあり。笛の音も大々的にフィーチュアされていますし、言うまでもなく、こぶしのある奈々さんの歌声が凄く合っています!! カッコいい!! 奈々さん直筆の艶やかな歌詞にも注目ですし、煌びやかでとても色っぽい奈々さんの姿を見られるPVもお薦め!
14.HOT BLOOD
(Bestアルバム『THE MUSEUM III』収録)
こちらも和ロック! TVアニメ『バジリスク~桜花忍法帖~』のED曲として制作されました。和楽器の美しいイントロから一転、メロディアスなギターが炸裂します。切なさ溢れるAメロの後、Bメロで一度スローダウンしてから激熱なサビに突入していくのがカッコいいです! 同じ和ロック路線の「悦楽カメリア」に比べて、曲調も重厚! 名曲ですな~。これもまた慟哭の世界かと。タイトルの「HOT BLOOD」とは滾る血潮を表現しています。
15.Synchrogazer
(Bestアルバム『THE MUSEUM III』収録)
さて、ここからラストに向けては、TVアニメ『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズの曲、通称<シンフォギア曲>で埋め尽くしたいと思います。<シンフォギア曲>の特徴は激しくスピーディーなデジタルサウンドとシンフォニックアレンジ! <なのは曲>同様に、この<シンフォギア曲>も、OP曲は全て奈々さんが作詞しています。
「Synchrogazer」はシリーズ1作目にあたる『戦姫絶唱シンフォギア』のOP曲。激しいデジタルビートが目まぐるしく疾走する中、奈々さんの強烈なヴォーカルによる切ない歌メロが炸裂します! ピアノやストリングスが美メロで絡んだり、静寂パートを挿入したりとアレンジも凝っています。近未来的な雰囲気もグッド!
16.Vitalization
(Bestアルバム『THE MUSEUM III』収録)
シリーズ2作目『戦姫絶唱シンフォギアG』のOP曲。こちらもデジタルビートとストリングス、そして奈々さんの哀メロヴォーカルがせめぎ合う、ドラマティックな疾走チューン! Bメロで一度スローダウンして、そこから一気に加速をかけて行くサビの展開は熱過ぎてヤバイです!!
17.Exterminate
(11thアルバム『SMASHING ANTHEMS』収録)
シリーズ3作目『戦姫絶唱シンフォギアGX』のOP曲。奈々さんのアカペラで始まり、そこにストリングスが加わって、ハードなギターリフとデジタルビートでドラマティックに疾走開始! テンポ良く進むクールなAメロ、素晴らしいメロディで加速していくBメロを経て、サビで一気に大爆発! そのサビがあまりにもカッコ良すぎて、それはもはや失禁レベルと言っても過言ではありません。全ての楽器と奈々さんのヴォーカルが時にはハーモニーを鳴らし、時にはせめぎ合いながら一気に駆け抜けていく超名曲!
18.Glorious Break
(11thアルバム『SMASHING ANTHEMS』収録)
『戦姫絶唱シンフォギアGX』挿入歌です。オーケストラと混声合唱、そしてシンフォギア曲の特徴でもあるデジタルビートが奏でる壮大なサウンドをバックに奈々さんの切なく熱いヴォーカルが突き抜ける、重厚で超ドラマティックなミディアムチューンは必聴です!
この動画の5分08秒からが「Glorious Break」!!
19.UNLIMITED BEAT
(12thアルバム『NEOGENE CREATION』収録)
一言で言えば、疾走メロスピ!! 超絶カッコ良いです。「OHH~OHH~OH~!」のコーラスもライブで大合唱が起きそう! 唯一の不満はメタリックなギターソロが短すぎるってことでしょうか! スマフォゲーム『姫絶唱シンフォギア XD UNLIMITED』主題歌。
20.TESTAMENT
(シングル『TESTAMENT』収録)
シリーズ4作目『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』のOP曲。ハードなギター・サウンドに疾走するストリングス、激しいビート、そして奈々さんの激熱のヴォーカルが炸裂する鳥肌モノのキラーチューン! もうこの、攻めて攻めて攻めまくる楽曲はほぼメタルだと思うのです!!
ベストアルバム『THE MUSEUM III』には「TESTAMENT -Aufwachen Form-」というアレンジヴァージョンが収録されていて、こちらには新たに約1分25秒の“序章”的なイントロが追加されています。美しいピアノソロから始まり、そこへデジタルサウンドと混声合唱、そしてストリングスが加わり、徐々にテンポを上げながら本編に突入していくという展開は圧巻! 個人的にはこちらのヴァージョンの方が好みです。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
ハード! ヘヴィ! ファスト! シンフォニック! メロディアス・・・!
そして、ドラマティック!!
水樹奈々の、メタラー向けの超クールな20曲を選んだつもりです!
私の紹介文や視聴動画で少しでも興味を持ったり、「カッコいい!」と思って頂ければ、それはとても嬉しいです。
是非、チェックしてみて下さいッ!!!