昨夜の出来事です。
意外な形で、うちの長男の優しさの一端を垣間見ることが出来たのです。
明日は雪が降るらしいし、疲れたので今日は早く寝ようかなと思った私は23時半には寝巻きに着替えて、ホッとココアを飲むと、寝室に向かったのでした。しかし、私は結局寝室にたどり着くことは出来なかったのです。
明かりの消えたリビングに立つ二つの影。それは外出する準備万端の妻と長男(中3)。妻はこの時間になると近所のベルクに行くのが習慣になっています。閉店間際の半額商品を買いに行くのです。しかし、長男は?こんな時間に一体どこへ行こうとしているのか?どうしたのか、との問いにうつむく長男。しかし、妻に促されて話始めました。それをまとめると次のようになります。
この日、長男は20時から塾がありました。家を出たのが遅くて、まあこれはいつものことなのですが、時間ぎりぎりに滑り込んだ訳です。塾が入っているビルの前にごみ置き場があって、そこに子猫が捨てられていたそうなのです。しかも、半透明のゴミ袋に入れられて! 猫の足がバタバタと動いているのが見えたそう。長男はそれがとても気になりながらも、授業開始の時間が迫っていたので塾に入りました。後で授業が終わってからもう一度確かめてみるつもりだったようです。ところが、日頃の疲れやら頭を酷使したことやら寝不足やらが原因かどうかはしりませんが、そのことを忘れて帰宅。遅い夕食を食べて、一息ついている時に急にあの子猫のことを思い出してしまいました。あの子猫のことが気になって仕方がないと言うのです。
私は、てっきり息子がその子猫をうちで保護したいとか、飼いたいとか言い出すのかと思いましたが、それは違いました。息子は、閉じ込められたままじゃあまりにも気の毒だから、せめて猫を袋から出してあげたいというのです。そのために、今から自転車で行って来ると。家から塾までは4kmほどあります。こんな夜中に(しかも、極寒の中!)未成年者を独りで行かせる訳にはいきません。おまけに、彼はもうすぐ受験を控えている身です。体調を崩させる訳にもいきません。最初にその猫を見かけてからもう既に4時間近く経っています。もう死んでいるかもしれない。状況は厳しいことを伝えましたが、息子は頑として自分の考えを曲げず。
じゃあ、私が車を出そうと言うと、「いいよ、自分が決めたことだから独りで行くよ」と。こんな時間に中学生が独りで行くのは危ないし補導されるよ、と私が言うと、「補導されたら、それはそれで安全じゃないか」と。
いや、補導されたら結局は親が呼び出されるからね。
結局は車を出すことにしました。ただ、時間が時間なので寝巻き姿の私ではなくて、買い物に行くはずだった妻が車を出したのですが。私は洗濯物を干しながら留守番していました。
私「袋を切るためのはさみは持ったのか?」
息子「彫刻刀を持った!」
私「いや、せめてはさみにしろよ!」
危ね~!。もし独りで行かせて補導なんかされた時に、彫刻刀なんて持ってたら話がややこしくなりそう!!
10分後に連絡がありました。
「猫の袋だけなくなってた」
「きっと、誰かが助けてくれた」
私は「とりあえず確認出来て良かったね」とだけ返信しました。
その猫が実際にどうなったかは分かりません。でも、息子が言うように、きっと誰かが助けてくれたのだと信じることにしました。
優しい性格に育ったなあ。
理屈っぽいしすぐに干渉してくるし頑固さも凄いけど!
そんなことがあって、昨夜は寝不足でした。
今日こそは早く寝ます。
我が子の性格の一端を垣間見ることができた、ある出来事。
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