ネオクラシカル&民謡風フレーズ満載のデビュー作
アレキシ・ライホ追悼ということで、フィンランドが生んだメロディック・デス・メタルバンド、CHILDREN OF BODOMのデビュー作を久々に聴きました。
様式美ですね! クラシカルでクサいメロディが次から次へと登場します。アルバムリリース時、アレクザンダー以外のメンバーは当時まだ16~18歳という若さなのですが、曲作りにも演奏にも非凡なものを感じます。
レビュー
CHILDREN OF BODOM 『Something Wild』(1997年)
(1)Deadnight Warrior
(2)In The Shadows
(3)Red Light In My Eyes, Pt. 1
(4)Red Light In My Eyes, Pt. 2
(5)Lake Bodom
(6)The Nail
(7)Touch Like Angel Of Death
-bonus-
(8)Children Of Bodom(single ver.)
(9)Mass Hypnosis(SEPULTURA cover)
Produced by Anssi Kippo and CHILDREN OF BODOM
Alexi Laiho(vo/g)
Alexander Kuoppala(g)
Henkka Blacksmith(b)、
Jaska Raatikainen(ds)
Janne Wirman(key)
満足度:90%
デビュー作でCHILDREN OF BODOMが表現しているのはずばり、様式美の世界です。残忍なサウンドが凄まじいスピードで駆け抜ける中、ギターのアレキシとアレクザンダーが奏でるのは煽情力のある泣きのメロディ。それはクラシカルかつ民謡風で、ここにヤンネの冷たいキーボードサウンドが華麗に絡んできます。ク、クサ過ぎる! 時々、顔を出すブラック・メタル要素も当時の彼らならでは。
緩急のつけ方も上手く、メンバー個々のテクニックも素晴らしい! 正統ヘヴィ・メタルからの影響が曲の随所に見え隠れしているのも実に美味しいです。音質は粗いですが・・・。
アレキシが幼少期にヴァイオリンを習っていてクラシックに親しんでいたからでしょうか、実際にクラシック音楽からの引用もありますね。例えば、(4)「Red Light In My Eyes, Pt. 2」ではイントロにモーツァルトの交響曲第25番が使われていたりします。
荒削りながらも、どの曲も素晴らしいです。
その中でもクラシカルなイントロが強烈な(5)「Lake Bodom」はドラマティック過ぎて失禁確実の名曲です!
「Lake Bodom」
ボーナストラックについて。(8)「Children Of Bodom」は’98年にフィンランドのみでリリースされたシングルで、ブルータルながらもキャッチ―なリフが印象的な名曲です。2ndアルバムでリ・レコーディングされています。(9)「Mass Hypnosis」はSEPULTURAのカヴァー。
「Children Of Bodom」
ちなみに、1960年に彼らの地元であるエスポー近くのボドム湖で実際に起こった、ボドム湖殺人事件がバンド名の由来となっています。