六弦アリス『前衛歌劇団 イデア座~人殺しヴィレッジ~』(2016年)
(1)人殺しヴィレッジ~overture~
(2)或る殉教者の物語
(3)闇に降る雪
(4)パペット・セメタリー
(5)人殺しヴィレッジ
(6)悪ノ流転
六弦A助(programing)、櫻井アンナ(vo)
ゲスト参加:YOUKI(g)
Hiroです。
今日は、先日リリースされたばかりの、六弦アリスの新作『前衛歌劇団 イデア座~人殺しヴィレッジ~』をレビューしたいと思います。
人里離れた場所に、40名程の、一切の個性を排除された同じ価値観を持つアンドロイドのみが住む村があります。そこで起こった、不可解な物語を描くコンセプト作品です。哲学的な部分もあって、ちょっと考えさせられますね。
例えば、初代村長(アンドロイドを作った人間)の墓に刻まれた言葉というのがあってそれは、
「人は個性によって滅ぼされる」
というものです。
そして、
村人達(アンドロイド)に捕らえられた少年(心=個性を持ったアンドロイド)が語る言葉は、
「人は集団心理によって殺される」
というものです。
どちらも真理であると思います。このテーマには深いものがありますよね。
ところで、2013年にリリースされたアルバム『不思議の国の音哲樂 まやかし篇』には「イデア座の仮面舞踏会」という、これまた色々な意味で深くてやばい曲が収録されていましたが、本作もイデア座による公演という設定なのかな? だとしたら、今後もシリーズ化するのでしょうか。 期待しちゃいますね。
さて、このあたりで曲のレビューに行きたいと思います。
(1)「人殺しヴィレッジ~overture~」
本作の序章ですね。緊迫感溢れるインストを背景に、アンナ嬢によるナレーションが登場。物語の背景を語っています。
(2)「或る殉教者の物語」
美しく緩やかなイントロで始まり、やがて小気味良く疾走開始! この曲はBメロが素晴らしいですね。オーケストラサウンドをバックに、YOUKI氏のヘヴィな、それでいてしなやかさも感じさせる、繊細なギタープレイが光ります。
(3)「闇に降る雪」
冷たいシンセ音が美しいミドルテンポの曲です。サビの切ないメロディがたまりませんな。熱いものが込み上げてきます!!
(4)「パペット・セメタリー」
イントロから繰り返される、不安を煽るような電子音のメロディ。ストリングスが同じメロディを奏で始め、そこにバンドが合流します。こういうタイプの曲は珍しいかも。
(5)「人殺しヴィレッジ」
本作のハイライト! これはかなりヘヴィですよ。歪んだギターで幕を開け、ドラマティックに展開していきます。随所で登場するストリングスも美味! 後半ではYOUKI氏がこれでもかという位に高速ギターソロを弾きまくっています! クールだ!!
(6)「悪ノ流転」
エンディングです。不穏なインストを背景に再びアンナ嬢のナレーション。そして、オルゴールのメロディと共に物語の結末が明かされます・・・!
楽曲のクオリティの高さは相変わらずです。メタル寄りの曲は(5)のみですが、どの曲も素晴らしいメロディが満載です。ファンは安心して身を委ねましょう。
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