オフィシャルブートレグ
今日紹介するのは、DREAM THEATER(ドリーム・シアター)がオフィシャル・ブートレグ専門のレーベル〈YtseJam Records〉より2003年に発表した『The Majesty Demos 1985-1986』です。デビュー前の、まだ彼らがMAJESTYと名乗っていた頃の貴重なデモ音源が収録されています。
オフィシャル・ブートレグ・シリーズはデモ音源や未発表ライヴ、未発表スタジオ音源等、ファンにはたまらないシリーズ展開をしていましたが残念ながら〈YtseJam Records〉のサイトは閉鎖され、長らくの間レアな音源を聴くことは出来なくなっていました。
しかし、2021年に〈Lost Not Forgotten Archives〉という新シリーズとして復活!! リマスタリングを施され、新しいアートワークも用意されました。往年のファンも新しいファンも彼らの貴重なアーカイヴにアクセス出来るようになったのは嬉しい限りです。
レビュー
DREAM THEATER『The Majesty Demos 1985-1986』
(1)Particle E. Motion (2)Another Won(3)The Saurus(4)Cry For Freedom(5)The School Song(6)YYZ(7)The Farandole(8)Two Far(9)Anti-Procrastination Song(10)Your Majesty(11)Solar System Race Song(12)I'm About To Faint Song(13)Mosquitos In Harmony Song(14)John Thinks He's Randy Song(15)Mike Thinks He's Dee Dee Ramone Introducing A Song Song(16)John Thinks He's Yngwie Song(17)Gnos Sdrawkcab(18)Another Won(19)Your Majesty (20)A Vision(21)Two Far(22)Vital Star(23)March Of The Tyrant
John Petrucci(g)
John Myung(b)
Mike Portnoy(ds)
Kevin Moore(key)(track18-23)
Chris Collins(vo)(track18-23)
(1)~(17)はバークリー音楽大学在籍中に4トラックのアナログレコーダーでジョン・ペトルーシ、ジョン・マイアング、マイク・ポートノイの3人で録音されたインストゥルメンタル。
(4)「Cry For Freedom」や曲の中盤でメイデン風に展開していく(5)「Ths School Song」はデモのままにしておくには勿体ない、なかなかの名曲だと思います。(6)はRUSHの、(7)はTALASの、そして(9)はS.O.D.のカヴァー
(18)~(23)はキーボードプレイヤーのケヴィン・ムーアが合流し、ヴォーカルのクリス・コリンズを得て制作したかの有名な『The Majesty Demos 1986』。攻撃的なイントロで始まる正統派ヘヴィ・メタル曲(18)がめっちゃかっこいい!キャッチーな歌メロをフィーチュアした(19)、パワーバラード風の11分超えの大作(20)・・・となかなかの出来です。これも現在のバンドの解釈でリ・レコーディングして欲しいですね。クリス・コリンズは超絶ハイトーンヴォーカルを聴かせてくれるのですが線が細い上に一本調子なのでずっと聴いているのは正直キツい。
本作に収録されている音源は全て音質も決して良くはありません。はっきり言ってラフですし演奏も荒削り。内容も完全にマニア向けですが、最初期の彼らがどのような方向性を目指していたのか、当時どのようなことをしていたのかを知る上では貴重!

2006年のライヴより「Another Won」

