六弦アリス 「緋の境界と二つの夜 -Prologue A-」（2011年）
（1）MOTHER
（2）完璧なひまわり
（3）迷イノ森
六弦A助（programing）、櫻井アンナ（vo）
ゲスト参加：Youki（g）
90点
Hiroです。
今日は六弦アリスのシングル『緋の境界と二つの夜 -Prologue A- 』をレビューします！
本作は7th アルバム『Omen of Seven』に収録されている「星をみる人」という曲を題材にしたコンセプトアルバム『迷イノ森、夢十夜。-人トシテ-』及び、『迷イノ森、夢十夜。-凛トシテ-』の序章編にあたるシングルとなります。
そして、『Alice in the Necrosisi』（2007年）と『緋のローレライ code;D』、
『緋のローレライ code;Я』（2008年）とも関連のある作品になっています。
ここで、各作品のストーリーを見ていきましょう。
『緋のローレライ』
嶋田紗英という女生徒と中村幸人という男子学生が主人公。二人とも自らを取り巻く世界に対して、「この世は造り物」、「死んだら本当の世界が見える」という認識を抱いていました。それを確かめるために二人は教師を殺害してしまいます。幸人は警察に捕まり、紗英は逃走中に飛び降り自殺という結末を迎えます。
『Alice in the Necrosis』
嶋田紗英と中村幸人が通う学校の隣のクラスにいる、ハルヱという名の女生徒が主人公。変わり者として、クラスの皆から気味悪がられていました。変わった趣味を持つ彼女に対して、必要以上に現実を見せようとした母親の言動に耐えきれなくなり、とうとう母親を殺害してしまいます。
『緋の境界と二つの夜』／『迷イノ森、夢十夜。』
物語は、嶋田紗英と中村幸人が事件を起こす１ヶ月程前から始まります。新学期の日に出会い、仲良くなった蒔映と結荏は日々親交を深めます。同じクラスにはハルヱという女生徒がいます。いつも独りでいるハルヱが気になる結荏はある日、彼女に話しかけ、蒔映も含め３人で昼食をとります。しかし、同級生達に気味悪がられているハルヱに気付いた蒔映は、ハルヱといることで自分達も虐めの対象になってしまうのではと自己保身に走り、結荏にもうこれ以上はハルヱに関わるのを止めるようにと説得します。そればかりではなく、虐める側の同級生達と同調するように迫ります。結荏は大人しい性格なので逆らえなかったのですが、同時に自分を責めて心に傷を負います。そのような中、嶋田紗英と中村幸人が教師を殺害し、その後、紗英が飛び降り自殺をしてしまう事件が起きます。結荏は紗英の死に痛く同情します。日を追う毎に紗英の死を重く捉えていく紗英でしたが、蒔映はと言えば、同級生のある男子生徒に恋心を抱いていたのでした。やがて蒔映はその男子生徒と初体験をするのですが、その結果、蒔映は妊娠してしまいます。男子生徒に妊娠を告げた蒔映。しかし、その翌日、男子生徒は両親諸共失踪してしまうのでした。その数日後、ハルヱが母親を殺害するという事件が起きます。変わった趣味を持つハルヱに対して、母親が放った言動に逆上したハルヱが母親を殺害してしまったのでした。ショックを受ける結荏と蒔映ですが、他の同級生達は他人事の様子。ハルヱが起こした事件について、結荏はこれまでの、ハルヱに対する自分の行いを責め始めます。そして、かつて紗英が飛び降りた陸橋から身を投げてしまうのですが、死に切れず、骨折だけで助かってしまうのでした。結荏を見舞いに訪れる蒔映。その時の蒔映の言動に強い不快感を示した結荏は死にきれなかった自らへの情けなさもあり、悔しくなって、蒔映の前で首を切って死ぬのでした・・・。
・・・・・・と、ダークでドロドロの内容。
改めて、文章化するとキツイものがあります。
登場人物がかなり病んでるよ。
さて、肝心のCDレビューに参りましょう。
Youki氏がギターで参加していますね。
ちなみに、『～Prologue B』の方では、鋼鉄兄貴氏がギターを弾いています。
そして、CDジャケに描かれているのが蒔映です。
（1）「MOTHER」はミドルテンポの曲で、怪しげな雰囲気のイントロを経て、力強く歌い上げるアンナ嬢のヴォーカルがエモーショナル！！ サビメロも強力で、一気に曲の世界に引き込まれてしまいます。メロウなギターサウンドも素晴らしいです！ 名曲！ 間奏部では「星をみる人」のフレーズが顔を覗かせます。
（2）「完璧なひまわり」はメタリックなサウンドで疾走。うねるようなシンセ音がいかにも六弦アリスらしいです。カッコいい！！ サビの部分でのやや上擦り気味の歌い方が曲にとても合っています。この曲の歌詞はちょっと哲学入ってる？ 他の誰かと違う道を歩きたいのです、と繰り返し訴えている「自分」が最後には、他の誰かと同じでいい、これも自分でしょ・・・と結局は周りに合わせることしか出来ないという悲しい結末。
（3）「迷イノ森」。ストリングスやチェンバロによる煌びやかなサウンドと混声合唱で疾走開始！ ギターも絡むシンフォニックメタル！ 最初に聴こえてくるのはアンナ嬢の麗しいヴォーカルではなく、禍々しい男性ヴォイスによる語り！ この語りの中で、ストーリーの導入部分がかなり具体的に語られます。その間も曲はヘヴィかつシンフォニックに疾走を続け、やがてアンナ嬢のヴォーカルが登場！ この緊張感がたまらない！
こちらは、コミケ会場購入時の限定特典「薔薇と禁断の黙示録」という名の交換日記です。
蒔映と結荏による、生々しい、異様にリアルな内容の交換日記！
