六弦アリス　13th Album 「迷イノ森、夢十夜。－人トシテ－」レビュー

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六弦アリス「迷イノ森、夢十夜。－人トシテ－」（2011年）

（1）人として
（2）個性がないと云う個性
（3）時効なき逃亡者
（4）早春行進曲
（5）イザナイノモリ
（6）背徳日和
（7）Lullabye For Alice ～Reborn Edit～

六弦A助（programing）、櫻井アンナ（vo）
ゲスト参加：Youki（g）

91点

Hiroです。

今日は六弦アリスの13thアルバムを紹介します。同時にリリースされたもう１枚のアルバム『迷イノ森、夢十夜。－凛トシテ－』と対になる作品です。そして、前作『緋の境界と二つの夜-Prologue A-』、『～-Prologue B-』の続編となる作品でもあります。

本作のコンセプトやストーリーについてはこちらの記事を参照して下さい。

イントロ（1）「人として」に続く、（2）「個性がないと云う個性」は明るいトーンのギターサウンドが印象的なアップテンポの曲でオープニングにふさわしい！　敢えて抑揚を抑えたヴォーカルとウィスパーヴォイスが新鮮です。メロディアスなギターソロも◎！　

続く（3）「時効なき逃亡者」は、美しいイントロに混声合唱が加わることで不穏な空気を醸し出し、メロディアスなギターソロで疾走開始する、これぞ六弦アリス的なキラーチューン！　歌メロ、特にサビメロがクサい！　しかもなかなか考えさせられる歌詞です。エンディングで弾きまくるギターも最高。

（4）「早春行進曲」はホーンセクションをフィーチュアした、ジャジーでアップテンポな曲。蒔映の初体験についての曲です。

（5）「イザナイノモリ」は曲調といい、その構成といい、シングル『緋の境界と二つの夜 -Prologue A- 』に収録の「迷イノ森」の続編ですね。ストリングスと混声合唱、そしてアンナ嬢によるヴォーカロイド風な無機質な歌声・・・。どこかメルヘンチックなサウンドと曲調なのに、怪し気な、男ヴォイスが蒔映の妊娠と結荏の自殺までのストーリーを語るため、非常に後味が悪いです（褒め言葉）。

（6）「背徳日和」ってタイトルからして嫌な感じしかしないのですが、この曲の歌詞もそうとうヤバイです。結荏が死んでから、妊娠とは関係のない過食を繰り返すようになってしまった蒔映のことを歌った曲です。ちなみに、この曲はEtherのRyo氏が作曲しています。アグレッシヴな曲調で、サビメロのクサさも超強力！！

（7）「Lullabye For Alice ～Reborn Edit～」は、娘を想う母の気持ちを歌った、名バラードでオリジナルは、6thアルバム『紅蓮の少女～その名を呼ぶは、死神なり～』に収録されていました。リアレンジされ、歌詞の一部を変えての新録です。

ファンタジックな世界観を演出しながらも、実はおどろおどろしい人間の業を描く手腕は流石としか言いようがありません。実に六弦アリスらしいアルバムです。

ちなみに、（1）「人として」は逆再生することで、隠れている言葉が浮かび上がってくるという仕組みです。その言葉とは、【傲慢】・【強欲】・【暴食】・【色欲】。キリスト教（主にカトリック教会）における、七つの大罪ですね。　　

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