BANG YOUR HEAD!! ~激しく頭を振りまくれ!~

水樹奈々と「まどマギ」が好きなメタラーです! 音楽、食べ物、アニメ・・・他、自分が感動したり良いと思ったことを書いていきます。         このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

犯罪係数が上がらない悪人が多過ぎる!TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』がつまらなかった7つの原因



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はじめに


TVシリーズ第3期が終了してから1週間が経ちました。後半になってからも、次々と新たな謎と伏線が出てきて、引っ張るだけ引っ張った後に何も解決しないままに続きは劇場版エンドとなってしまいました。

皆さん、楽しんで観ていましたか? 劇場版を歓迎するという声もありますが、実際のところ、どうなんでしょう? 正直、<第3期>は私の中では不発でした。

部分的に観れば、面白かったり、興味深いと思える場面はそこそこありました。

だけど、それ以上にマイナス要素が目立ってしまって。

作品の完成度という点では「悪くはないんだけど、絶賛出来るものではない」という評価をつけざるを得ないですね。なぜ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』が不発に終わってしまったのか? そこには次の7つの原因があると考えました。

  1. 1時間番組にしてしまったこと。

  2. ストーリーが分かりにくい。

  3. 魅力的なキャラクターがいない=感情移入が出来ない

  4. TVシリーズとして何一つ問題解決していない!

  5. 悪人の犯罪係数が上がらない!=ドミネーターが活躍しない!

  6. これまでの世界観をぶち壊す後付け設定の数々。

  7. 結局、旧キャラの魅力には敵わない。


以下、詳しくその理由を述べていきます。

1.1時間番組にしてしまったこと。


1時間枠にしてしまったことで、あれこれ詰め込み過ぎて1話毎の起承転結がつけにくくなってしまったのではないかと思いますね。相当気をつけた構成にしないと、視聴者側も集中力が持たないですし、ストーリーの焦点がぼけてしまいますよね。製作者サイドは分かっているからいいでしょうけど、視聴者が置いてけぼりになっていました。30分という時間の制約の中で起承転結をつけるからこそ、面白さも際立つし、盛り上がる所では盛り上がるし、視聴者も集中して観ることが出来るのだと思います。

2.ストーリーが分かりにくい。


筆者は1期からのファンであり、2期は勿論のこと、劇場版・新劇場版SSも欠かさず観て来ましたが、総じてストーリーの趣旨や世界観が分かり易かったです。それに対して3期は難解に感じました。誰が何をしたいのかが良く分からないのです。

日本が開国していて移民を受け入れているのはまあいいとして。いきなり出てきたビフロストという組織とラウンドロビンというシステムが良く分からなかったですね。ビフロストの最高位に君臨するコングレスマンがどういうもので、互いにどのような思惑を持っているだとかも良く分からなかったです。彼らがインスペクターを動かして社会を裏から動かしているらしいというのは分かるのですが、どのコングレスマンがどのインスペクターにどのような指示をだしているのか、誰と誰が仲間なのか、その辺も何となく「こういうことなのかな」と推測するしかありませんでした。

また、常守朱がなぜ軟禁されているのかとか、主人公二人に襲い掛かった過去の事件のこととかも分からず仕舞い。敵キャラも多いのだけれど、何を目的に動いているのかが分からんのですよ。


3.魅力的なキャラクターがいない=感情移入が出来ない


今期から主人公が変わり、一係のメンバーも殆ど入れ替わりました。なので、最初からキャラクター達に感情移入することが出来ないのは仕方がないとして。新任監視官の2人、慎導灼も炯・ミハイル・イグナトフも最初からやけに自信たっぷりなんですよ。慎導灼は変な超能力を使うし、ドミネーターでの執行をしたがらないし。そしてイグナトフは一見冷静な奴かと思いきや、感情を抑えられないし、物事の全体を見ていなさそうだし。2人共優秀なんだろうけど、何か違うんだよなあ。じゃあ、執行官はどうかと言えば、これまた微妙。

じゃあ、敵はどうかというと、これまた微妙。1期の槙島聖護のような信念を持って犯罪を行おうとするようなカリスマ性のあるキャラがいないんだもの。コングレスマンの3人にいたっては存在そのものが謎だし、インスペクターや<狐>という手下を動かしているだけなので全然好きになれないのです。。野心家であるファーストインスペクターの梓澤廣一はまあ、面白い存在だとは思いますがね。で、そんな感じで様子を見てたら、誰にも感情移入することが出来ないまま、最終回を迎えてしまいました。ぶっちゃけ、新キャラ多過ぎでしょ。その分、キャラクターの掘り下げが出来ないし、そもそも情報が少な過ぎるよ・・・。これじゃ、感情移入出来ません。

4.TVシリーズとして何一つ問題解決していない!


未回収だらけの伏線。そして、話が進んでいるようで全くと言っていい程進んでいない現実。1時間×全8話・・・。こちらとしてはその中できっちりと終わらせてくれると思って毎回観ているのです。誰が最初から、“続きは劇場版で”という姿勢で観ようとするでしょうか? まあ、観ているうちに分かって来ましたけどね。まとめようとする気が全然ないんだなって。だけど、謎や伏線を広げるだけ広げておいて、何一つ問題解決することなく終わってしまうのは酷いと思います。せめて、常守朱が軟禁されていることになった事件のこととか、灼とイグナトフの身に起きた事件の概要位はTVシリーズの中で明かされるものだと思ってましたよ。

5.悪人の犯罪係数が上がらない!=ドミネーターが活躍しない!


何故だか知りませんが、悪人の犯罪係数が上がりません。なのでドミネーターを向けても、「執行対象ではありません。トリガーをロックします」と言われてしまうことの多かったこと! これは致命的なことですよ。執行できないってことは、ドミネーターのカッコいい執行シーンがないってことなんですから! エリミネーターは? デコンポーザーは!? ドミネーターの活躍が見れない『PSYCHO-PASS』なんて『PSYCHO-PASS』じゃない! たまには理由があって執行出来ないのもいいけどさあ、毎回毎回これじゃ、観ているこっちもストレス溜まっちゃうよ!

例えば、ファーストインスペクターの梓澤廣一。犯罪に加担しているとは微塵も思っていない人間の行動・要因を繋げ、対象者を死に追い込む手法をとるのが得意なようですが、それやってる時点で色相が濁りますよね。何で、普通に暮らしていてスキャナに引っ掛からないのでしょうか。

例えば、小畑ちゃん。犯罪のためのクラッキングするんでしょ。何で犯罪係数が引っ掛からないの?

イグナトフだって、インスペクターになった時点でアウトだし、シビュラを騙せるとは思えないのだけれど。

コングレスマンの3人だって、反シビュラなんでしょ。何で堂々と街中を歩けるのか?

実は正体が武器商人だったテレーザ陵駕も色相がクリアでしたよね。

そもそも、シビュラが鎖国政策を止めて開国という判断をしている以上、移民反対デモなんかやっている人達の色相ってあっという間に濁っちゃいそうですよね。以前のシビュラシステムだったらね。

も、もしかして、シビュラシステムって退化しちゃったのか?

今期ではドミネーターが色相チェックアイテムみたいな扱いになっていて、とても悲しいです。

ついでに付け加えておくと、「電波が入らないからドミネーターが起動しない」とか、泣くに泣けません。

6.これまでの世界観をぶち壊す後付け設定の数々


コングレスマン達がラウンドロビンの元で訳の分からない賭け事ゲームに興じているシーンとかでも何度か描かれましたが、彼らには公安局の動きとか全部ばればれなんですよね。シビュラシステム絶対の世界において、実は裏ではビフロストなる組織が自分達の利益の為に暗躍しており、しかも組織はシビュラシステム運用以前からあった!

今更こんな設定を突きつけられると萎えます。じゃあ、1期での槙島聖護と公安局との戦いとか、2期での鹿矛囲桐斗が起した事件のこととかも全部筒抜けだったのかなとか、あの事件の時もビフロストが暗躍していたことになっていたのか等、考えただけで萎えます。

あ、今思ったのですが3期になってから都合良く廃棄区画増えてませんか? あっちこっちにありますよね。私の勘違いだったらごめんなさいですが。

そして、一番の問題設定が慎導灼が行うメンタルトレース。何ですか、このトンデモ超能力は!? “現場の情報や情景を頭に思い浮かべて精神集中を行い、統計に基づいた推理を組み合わせて事件の被害者や追跡対象者になりきる” 技能だそうです。何と、死者に対しても行うことが可能で、その人が死ぬ間際の状況だとか考えていることが全部分かってしまうという。どう考えてもサイコメトラーっぽい超能力でしょ! 

灼のような特A級メンタリストがいたら、シビュラシステムの弱点である免罪体質も透明人間も関係ない!槙島聖護の事件も鹿矛囲桐斗の事件も成り立たなくなってしまうわけですよ。シリーズの根幹を崩壊させる設定ですな。捜査で現場検証のたびにこの能力を使い、それが決め手となって事件が解決する。そんなんで、視聴者が納得すると思いますか? 雑賀譲二先生のプロファイリングって一体何だったんだよ・・・。あと、メンタルトレースには他人の精神を誘導する「サイキックドライビング」という技もあるようですね。もう、何でもありのやりたい放題じゃないかと。槙島だったら絶対に習得して、他人をどんどん犯罪に駆り立てたのではないでしょうか。そうして、シビュラ社会を恐怖と混乱に陥れそう。


あと、第7話で慎導灼が免罪体質だってことが判明しましたが・・・。免罪体質者って、確率的には約200万人に1人の割合でしか存在しないんですよね。そう簡単に出されちゃうと免罪体質者の希少性が無くなっちゃうじゃないですか。止めて欲しいなあ。

7.結局、旧キャラの魅力には敵わない。


これに尽きます!

第1話の冒頭、常守朱が登場した時の衝撃と安心感!
ああ、やっぱりこの安心感よと。

そして、2話の中盤で灼とイグナトフの前に立ちはだかった狡噛慎也と宜野座伸元。完全に不意打ちくらいましたよ。しかも、それに合わせて音楽も1期のテーマ曲にチェンジ!


「うおおおお、宜野座ああああああ!!」

「うおおおお、狡噛いいいいいいい!!」

って感じに、見るたびにテンションMAX!!

個人的に一番リピート再生しているシーンです。

元1係メンバーの登場は嬉しい!! ですが、新キャラ全て喰われちゃってます。どんなに頑張ってもこれが現実なのです。キャラクターを一新するんだったら、潔く旧キャラは出すべきじゃなかったです。外務省行動課のストーリーはまた別に描いた方が良かったのではないでしょうか。

おわりに


あれもこれもと詰め込み過ぎた上に、元となる世界感や設定を無視してしまったが故に面白くなくなってしまったケースではないでしょうか。製作サイドはファンが『PSYCHO-PASS』に求めているものを理解していないですね。今一度、『PSYCHO-PASS』の魅力とは何だったのかを考えて欲しいです。遅すぎるかもしれませんが。劇場版? 観に行きますよ。とりあえずは見届けないとね。