ロック色の強い傑作!
今日はプリンセス プリンセスの3rdアルバムを紹介したいと思います。
前作『HERE WE ARE』のリリースから僅か9ヶ月後にリリースされた本作はロック色が強く、それでいてキャッチーさもあり、良い意味でのメジャー感にも満ちた傑作アルバムとなっています。
早速、詳細を見ていきましょう。
レビュー
PRINCESS PRINCESS『LET'S GET CRAZY』(1988年)
(1)GET CRAZY!
(2)それなりに いいひと
(3)STAY THERE
(4)LOVE AND BLOOD
(5)へっちゃら
(6)夕陽がよんでいる
(7)瞳だけはみつめない
(8)ひとりじめ
(9)ストリート・ウーマン
(10)M
(11)HEART STOMPIN' MUSIC
Produced by PRINCESS PRINCESS & 笹路正徳
奥居香(vo、g)
中山加奈子(g)
渡辺敦子(b)
今野登茂子(key)
富田京子(ds)
お気に入り度:
★★★★★ ★★★★(9/10)
まず、1曲目の「GET CRAZY!」に衝撃を受けました。激熱なミディアム・チューンで、最初から最後までロックンロールが炸裂しています! キース・リチャーズが好きだという中山加奈子さんの粘っこいギターリフ、跳ねるような今野登茂子さんのキーボード、そして奥居香さんのハスキーヴォイスがたまりませんね。名曲だわ。
続く、「それなりに いいひと」は古き良き時代のハードロックって感じのアップチューンで、ギターもキーボードもベースラインも全てのリフがカッコいい!
間奏部分で、まるでDEEP PURPLEのジョン・ロードを彷彿させるような
キーボード・ソロをぶち込んで来たのにも鳥肌が立ちました! やべぇな!!
3曲目の「STAY THERE」は開放感を感じさせる爽やかなアップ・チューンで、プリプリ節(と言うか、奥居節)全開の名曲です!
中山加奈子さんのカラーが強く出たロックチューン(4)「LOVE AND BLOOD」や(6)「夕陽がよんでいる」は良い意味でラフなアレンジと、どこか懐かしい感じのリフが魅力的ですし、(5)「へっちゃら」はパンキッシュなファスト・チューンだし、ロック好きにはたまらないでしょう。
7曲目の「瞳だけはみつめない」。メロディアスでドラマティックなキーボードをフィーチュアしたスピーディーな名曲です。
そして、邦楽史上に残る、哀メロ全開の名バラード「M」。
この曲に関しては何も言うことはないでしょう。
本当に素晴らしい曲です。
これまでのアルバムと比べて、よりメジャー感が増した本作は思った以上にロック色の強い作品になりました。メンバー随一のロック好きである中山加奈子さんが提供している楽曲がロックなのは想定内なのですが、メインソングライターである奥居香さんが提供している「GET CRAZY!」や「それなりに いいひと」が非常に質の高いハードロックで嬉しくなってしまいました。
それでいて、「STAY THERE」や「瞳だけはみつめない」、「M」といったように奥居節全開の、王道ともいえるメロディアスな曲もしっかりと収録! 奥居香さんの作るメロディーは良い意味で大衆受けしやすいんですね。
Let's get CRAZY!