Innocent Emotion=悪意の無い感情
少し前に、矢島舞依さんの3枚目のミニ・アルバム『Innocent Emotion』がリリースになりました。2枚目のミニ・アルバム『BLOODTHIRSTY』で初めて彼女の作品を耳にした私でしたが、その完成度の高さと歌唱力に、文字通り度肝を抜かれたものです。
今回紹介する新作も、ダークでゴシックな雰囲気を纏った高品質のシンフォニックパワー・メタルが満載です。楽曲は前作同様に三宅英明氏と新本和正氏が手掛け、作詞は全て矢島舞依さんによるものです。今回もとにかく凄いですよ! メタルシンガー矢島舞依ここにあり!!
アルバムジャケット。血塗れの心臓を握り締めた、俯く女性は矢島舞依本人。白と黒と赤が織り成す猟奇的な世界は様々な想像を掻き立てる・・・。
裏ジャケもゴシカルな雰囲気があって良いね。
帯のキャッチコピーにピンと来たら、要チェック!
レビュー
矢島舞依『Innocent Emotion』(2017年)
(1)狂騒ENEMY
(2)Nightmare
(3)REPLICA
(4)咀嚼
(5)カリギュラ
(6)Madness Party
-bonus track-
(7)Walhalla~last sunrise~
お気に入り度:
★★★★★ ★★★★☆(9.5/10)
(1)「狂騒ENEMY」
シンフォニックなイントロから、ドラマティックに疾走開始! 煌びやかなシンセが鳴り、ネオクラシカルなギターが唸りを上げるッ! サウンドはアグレッシヴ! ツーバスもドコドコ! その中を前作以上に強力になった矢島舞依のヴォーカルが哀メロたっぷりに突き抜けて行きます。これぞメタルの爽快感ですね! 間奏部分ではイングヴェイ・マルムスティーンを彷彿させる、ギターソロが炸裂しますよ!
(2)Nightmare
イントロの中近東風メロディからシンフォニックに爆走!! 2分30秒という短い曲ながらも、緩急をつけながら、ダークでゴシカルなメタルチューンが展開して行きます。ソプラノコーラスやバックで鳴り響いている鐘の音、ピアノのアレンジが素晴らしい! 台詞パートもありますよ。
(3)REPLICA
PVにもなっている、本作のリード曲で、矢島舞依の激情迸る疾走パワメタ/メロスピチューン! この曲における、彼女の感情表現は凄まじいですね。特にクールなギターソロの後、静寂パートからエンディングに向かって一気に畳み掛ける様は失禁モノのカッコ良さ! 激しさの中にも切なさと哀しさを感じるキラーチューン!!!
(4)咀嚼
メロディックなリフと歌謡曲風のサビメロが、一度聴いたら忘れられない、ミッドチューン。これも強力! つまり、名曲!!それにしても、本当に歌が旨いなあ。
(5)カリギュラ
クラシカルなシンセのイントロからスピーディーに展開していきます。この曲のリフもカッコいいですね。この曲でも彼女は哀メロを唄い上げています。間奏部分は混声合唱がゴシカルな雰囲気を醸し出し、そこからツインリードとキーボードがキャッチーでクサいメロディを炸裂させます。この辺の展開はまるで、CHILDREN OF BODOMを彷彿させますね!!
(6)Madness Party
ゴシック感満載のシンフォニック・チューン。緊迫感溢れるリフが刻まれる、AメロとBメロ。そして、切なくて感動的なサビメロが!
(7)Walhalla~last sunrise~
通常盤のみ収録のボーナストラックです。大切な人を失った喪失感を唄ったバラードです。この歌メロは泣けますね。美しくも力強い曲で、歌詞カードを読みながら、曲のイメージを膨らませるとやばいです。素晴らしい曲なので、ボーナストラックにしないで、絶対に本編に入れるべきだったと思います!!
まとめ
次から次へと繰り出されるゴシカルなシンフォニック・メタルの名曲たち! 前作以上に気合の入った楽曲とヘヴィなサウンドに脱帽です! 水樹奈々さんをメタル化したような矢島舞依さんが愛と憎しみを吐き出していきます。彼女のヴォーカルはよりパワフルになり、表現力も増しました。今回特にそのヴォーカルが生々しく録られていますね。猟奇的なジャケットも◎(敢えて、本人のルックスを前面に出さないアートワークもGOOD!!) 前作を気に入った方なら、絶対に買いです!! 次はフルアルバムを聴きたいですね。
あと、名バラードの「Walhalla~last sunrise~」はDVD付きの初回盤には収録されていません。通常盤のみにしか収録されていないので注意! 初回盤のDVDには「REPLICA」のPVとそのメイキングが収録されています。