第5部開幕ッ!!
『ジョジョの奇妙な冒険』第5部<黄金の風>のTVアニメ放送が遂に始まりました。
2001年のイタリアを舞台に、DIOの息子ジョルノ・ジョバーナがギャング組織<パッショーネ>で登りつめていく様子が描かれていきます。
しかしある理由で、物語の途中から彼と仲間は組織に追われる身となり、壮絶な逃避行とスタンドバトルが繰り広げられることになります。
それでは、さっそく、第1話「黄金体験(ゴールド・エクスペリエンス)」の感想いってみましょう。
アニメのオリジナルシーン、アニオリが良い!
原作では広瀬康一君が私達を第5部の世界に誘ってくれましたが、アニメではOPをカットして、ジョルノ視点のアニオリが挿入されています。
美しいネアポリスの街並と自然をバックにアニメが始まったと思ったら、すぐさまスリ、警官の汚職、未成年者の麻薬汚染問題が描写される!
舞台となるこの街は見た目は確かに美しいのですが、実は治安の悪さや正義というものが腐敗していることを一瞬のうちに理解させてくれる見事なシーンです。
これはジョルノがギャング・スターに憧れ、組織で登りつめなければならない理由・動機にもつながっているので大変重要。
2人の女性観光客がジョルノに道を尋ねるのですが、その1人が財布をスラれてしまいます。その際、持っていたジェラートがジョルノに当たり、制服を汚してしまいます。
即座にジョルノがスリ返して彼女に返却。しかも、スタンド能力で女性の財布から紙幣2枚だけを蝶に変えて制服のクリーニング代(それとも手間賃?)として回収。
回収したお金でジェラートを買うのですが、そばで見ていた子供にも奢ってあげるという優しさ。
ここもアニオリなのですが僅かな時間でジョルノの人柄や性格、そしてスタンド能力をさらっと説明していて、いや、素晴らしいなと!
実に爽やかな幕開けです。
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
涙目のルカ登場!
原作ではもう少し後に登場した涙目のルカがAパートの最初から登場!
アニオリで、<組織>に無許可で個人タクシーの営業をやってる男にショバ代を払えと命じます。警備員に賄賂を渡し、ギャングにはショバ代を払わなければならないなんて大変ですな。しかも、この男はショバ代を払ってないのは自分だけじゃなく、ジョルノが無許可で商売しており、相当稼いでいることをちくってしまう!
ジョルノと康一
で、場面は変わり、空港で客を拾うためにタクシーで乗り付けるジョルノ。
ライセンス無い奴は営業禁止だ~と注意しに来る警備員に対して、「ボンジョルノ」!
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
めっちゃ爽やか過ぎる~!
そこへ日本からネアポリス空港に到着した広瀬康一が登場!
スーツケースを押しながら今回の旅行の目的である汐華初流乃(実はジョルノ)の写真をチェック。
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
タクシー乗り場を探す彼が見たものは、警備員相手に、耳を穴の中に全部入れるという一発芸を見せ、賄賂を渡しているジョルノの姿。
ここでしか出てこない、ジョルノの一発芸です。
康一に気づいたジョルノは彼に「タクシー、安くしておきますよ~」と持ちかけます。
で、色々と駆け引きがあって、康一は彼のタクシーに乗ることになり・・・。
ジョルノ「荷物は自分で積んでよね。チップはなしなんだから」と。
ジョルノに言われるがままに、スーツケースを前の座席に乗せ、自分が後部座席に乗ろうとした時、車が急発進~!!荷物を全て奪われた康一君! それにしても、爽やかに犯罪するな~、ジョルノ!
自分が騙されたことに気がついた康一は、<エコーズACT3>を発動させてジョルノの車を重くしてその動きを止める!
久々に見るエコーズ、カッコいいですね。
この時ジョルノはエコーズに気づいてなくて、車がエンストで動かなくなったのだと思っているわけです。で、康一の前から逃げるんですが、原作ではここでジョルノが平然ともの静かに微笑んで康一を見ているんですね。
康一はジョルノの表情について、「光り輝くさわやかさ」さえあるように感じていて、そこがカットされたのがちょっと残念でした。ジョルノが失敗したのを見て見ぬふりをしている警備員が、ここでジョルノについての親切な解説を入れてくれるのは原作通り。
スーツケースを取り戻すために、助手席のドアを開けた康一でしたが、そこに彼の荷物はなく、その代わりに何かの卵が! その卵はあっという間に成長し、何と蛙が孵化!
過剰に驚く(笑)康一君を後に、いずこかへ去って行く蛙。
原作ではこの後、康一君は<エコーズACT1>を上空に放ち、逃げたジョルノを探そうとするのですが、アニメでは警備員にジョルノについて尋ねようとしており、ここで場面が切り替わります。個人的にはここは原作通りにやって、<ACT1>を見たかったですね。
ジョルノと涙目のルカ
さて、その頃ジョルノは涙目のルカと遭遇していました。
なぜ<涙目のルカ>と言うのか? ジョルノ曰く、「なんでも、喧嘩の時ナイフを顔面に深々と突き立てられても戦うのをやめなかったとか。その後遺症のせいで、傷が治った今でも常に涙目だとか」だそうです。
結構、ヤバイなこいつ。
まあ、作品からはあっさりと惨めな退場をしてしまうのですが、アニメ版だと声が凄く合っているし、結構好きなキャラですね。常に涙目なので、ハンカチを常備し、いつもグスッと言って涙を拭う・・・! いい味出していると思いませんか?
3つのU
ルカはジョルノに言います。
いい友情関係には3つのUが必要だと。
それは「嘘をつかない」・「うらまない」・「相手を敬う」ことだそうです。
ふむふむ・・・。
何か用でしょうか、とジョルノが問うと超逆ギレ~からの「このボゲが!!」というジョジョ特有の流れに。で、ルカが言うにはまだジョルノから敬いの献上品<ショバ代>を送ってもらってないぜ、それじゃあ友情は続かないぜと。
何が、3つのUじゃあ!!
しかし、ジョルノはすでに警備員に払ってしまって、財布の中にはもう金がないのです。
「んなこたぁ、俺には関係ねーんだよ!」と激昂し、ジョルノの財布を取り上げるルカさん。で、財布に挟んである実の父親<DIO>の写真がドーン!!
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
ルカさんは「家族の写真か?」なんて呑気なことを言ってますが、普通に考えたらこんな家族の写真ないですよね!!
っていうか、このDIOのアングルはどう見てもこれ、ジョセフがスタンドで念写したやつだろ!!
金はどこだと食い下がるルカにジョルノは「同じことを二度言わせないで下さいよ。払ってしまってないと言ってるんです」と述べるが、それにルカもブチ切れてスコップを振り上げる。回避するジョルノ。そこへ、彼がゴールド・エクスペリエンスで広瀬康一のスーツケースに生命エネルギーを与えて発現させたカエルが主の元へ戻って来ました。カエルを叩き落とせと命じるルカに対して、ジョルノは「このカエルは関係ないんだ。叩き落とせだなんて・・・・・・」。
で、ショバ代のこともカエルのことも両方「No」と言われたルカは、カエルもろともジョルノのボディにスコップを叩きつけた!
ここで初期のゴールド・エクスペリエンスの能力<相手の攻撃をそのまま相手に返す>が発動し、カエルへの攻撃はそのままルカの後頭部に反射ダメージとしてヒット。
ルカさん自爆!!
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
この後のジョルノの台詞「何度も言わせるってことは無駄なんだ。無駄無駄・・・」は原作読んだ時にも思わず笑ってしまいましたが、ジョルノがDIOの血を受け継いでいることを強調しつつ、ファンサービスにもなっている台詞です。
承太郎からの奇妙な依頼
ここからBパート。
時間は少し遡り、日本の杜王町。
広瀬康一は承太郎から奇妙な依頼を受けていました。それは汐華初流乃とい少年の皮膚の一部を採取して送って欲しいというもので、これはよくよく考えたら結構ハイレベルな依頼ですよね。
父親の遺伝が影響して、金髪になるまえのジョルノ。
黄金体験
そんな回想をしながら、ジョルノの住んでいる所を探す康一。すると、通りがかりのカフェでお茶しているジョルノを発見!康一を見た時のジョルノの「あ、やばッ」って表情がいいですね。しかし、パスポートと荷物を返せと迫る康一に対して、あっさりと「ほんと心が痛むけどもうないんだ。売っ払っちゃってさ・・・だから、もう追ってこないで」などとのたまうジョルノ。
今度は逃がすものかと、<ACT3>の能力でジョルノの右手を重くする康一。
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
あまりの重さにカフェのテーブルが割れ、ジョルノも地面に落下。その直前に「何だ?この重さは?まさか、同じような能力!」超速で理解してしまうジョルノ。
ここで、<ゴールド・エクスペリエンス>初登場!
発現シーンが美しい!!
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
このスタンドのデザインも好きなんですよね。地面を殴り、そこに樹の生命エネルギーを与えます。超速で成長し、上に高く伸びていく樹に自分の体を預けることで、<ACT3>の射程外に逃れるジョルノ。ジョルノを叩き落とすために、康一は<ACT3>で樹を殴りますが、攻撃反射を喰らってダウン!しかも、康一君、めっちゃ地面にめり込んでいるし。
ジョルノ曰く、「僕は君の物を盗った。なのに僕への攻撃が手加減していたことが君のダメージを見ると逆に良く分かる。君はいい人だ」。
盗人のくせに、なにこいつ!
・・・って感じなんですが、どこか憎めないんですよね。
ここでBパートが終了。
DIOの息子
アイキャッチがおしゃれで良いね!
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
康一は日本にいる承太郎に慌てて電話で状況報告をします。電話ボックスでかけているあたり、時代を感じさせますな。海洋学者である承太郎の部屋には水槽があったり、ヒトデのコレクションがあったりして、博士って感じですね。
で、承太郎にジョルノについて矢継ぎ早に質問をする康一。状況理解の早い承太郎は、康一にジョルノがDIOの子供であることを伝えます。今年になってDIOに子供がいる可能性が分かり、ジョルノが本当にDIOの子供で彼の肉体を受け継いでいるのかを確かめたかったのだと説明。まあ、この辺も原作通りなんですけど、依頼する方もきちんと事前に説明はしておかないといけませんよね・・・。ちゃんと、アニメの第3部で撮っていたエジプトでの集合写真が使われていて、ここはちょっと感傷的になってしまいました。
ブチャラティが来る!
1話目から結構進みます。が、詰め込み感はなくて、本当にテンポ良く進んでいきます。構成が素晴らしいですね。
路面電車に乗ったジョルノの前に現れたブローノ・ブチャラティ。
最初に原作で見た時は、「何だ、このおかっぱ頭は?」と思ったものですが、程なくしてカッコ良く大化けしましたからね。しかし、この時点ではまだクセの強いブチャラティです。ブチャラティは組織の命令で涙目のルカをやった人間を探しているのです(ブチャラティも涙目のルカも同じギャング組織に所属している)
「涙目のルカは頭に自分のスコップを叩き込まれて、意識不明の重態で空港のはずれにブッ倒れていた」
ブチャラティはジョルノが空港にいたことを警備員から聞いて知り、彼に質問するためにやって来たと言う訳。この路面電車のブチャラティのシーンは名場面・名台詞が強烈。
ブチャラティ「俺ね、人が本当のことを言ってるかどうか分かるんだ。顔の皮膚って汗とかでテカるだろ?その感じで見分けるんだ」
これはまあいいとしよう。
「汗の味を舐めればもっと確実に分かるかな」
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
ええッ!?
空港で涙目のルカに会わなかったかと、ジョルノに質問するブチャラティ。それに対し「いいえ、そんな人は知りません」と平然と嘘をつくジョルノ。しかし、ジョルノが汗をかかないのでブチャラティはジョルノの言葉を信じ、一度彼を解放。
が、しかし!
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エッ?
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ぎゃああああああ!!!
目んたまああああ!!
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握っていたはずの手の中には人間の目玉が!!
ブチャラティ「ルカの右目だぜ。どうせ意識がねえんだから持ってきた」
ひいいいいい!!
そして。
レロン!!
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名シーンキター!!
汗を舐めるブチャさん。
「この味は! 嘘をついている味だぜ・・・ジョルノ・ジョバーナ!」
何故嘘を言っているのかと、ジョルノに問い詰めるブチャラティ。
「答えろよ。質問はすでに拷問に変わってるんだぜ」
名台詞炸裂!
急にジョルノは口腔内に異変を感じてその物体を吐き出しますが、それはバラバラにされたルカの指でした。やはりブチャラティは恐ろしい男です。そして、彼のスタンド能力も相当ヤバいです。何であろうとお前の口の中に入れることが出来ると豪語するブチャラティ。そして、
彼の台詞からルカはもう既に始末されてしまったことが分かります。
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
ジッパーの能力ってアニメ映えしませんか? 中ってあんなふうになっているんですね。恐ろしい能力です!
こうなったら、ゴールド・エクスペリエンスを使ってこいつの攻撃をかわすしかない!!
そう思ったところで、来週に続く。
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
感想
このテンポの良さ!
もうこの1話で舞台となるネアポリスの治安の悪さとか、ジョルノの性格や人柄なんかがかなり描かれていて、いいですね。
ジョルノが原作以上に爽やかなやつでした。
面白かった~!
はっきり言って、最高です!!
待った甲斐がありました。
4部のキャラも登場しますが、物語の導入部分だけで、以後は独立した物語なので、これまでのジョジョを観たことがない人にもお薦めです。
作画も大変素晴らしいですね!
やはりスタンド能力を発現させるシーンは絵になります。
ゴールド・エクスペリエンスが美しい・・・!
前半の爽やかさから一転して、ブチャラティによる拷問シーンの不気味さ。
あと汗舐め。
汗の味で嘘をついているかどうかが分かるなんて、ちょっと何を言っているのか分かりませんが、ブチャさんの特殊能力か何かなのでしょう。
この奇妙なテンションがジョジョだなあと思いますね。
次回は「ブチャラティが来る」。
もう、来てるんですけどね(笑)
スティッキー・フィンガーズ戦も絵になるだろうなあ。
あと、今回は無かったOP&EDも期待しています!!