藤田朋子と私
突然ですが、今日紹介するのは女優として活躍している藤田朋子さんが1989年にリリースしたデビューアルバム『THE WOMAN IN ME』です。CD整理をしていた時に出てきて、十数年振りに聴きました。一応言っておきますが、私がこの作品を取り上げるからといってもメタルでもロックでも萌えでもありませんので、あしからず。
このCDと出会ったきっかけは、昔NHKで放送されていた『音楽・夢コレクション』という音楽バラエティ番組があって、そこに彼女が準レギュラーで出演していて、その時にCARPENTERS（カーペンターズ）の「Superstar」を歌っていたんですね。その姿を見て、当時17歳の私は年上のお姉さんにフォールインラヴしてしまったという訳なのです。藤田朋子さんは当時24歳ですね。
当時はネットなんてないので、とにかく情報がありませんでした。が、幸運にも、購読していたＦＭ雑誌に、今回取り上げた藤田朋子さんのデビュー作が紹介されていたのです。早速買いに行きましたよ。今でもショップでこのCDを見つけた時の記憶は残っています。このCDを聴いてまず驚いたのが、全部英語の曲だったということです。優しくて心地良いサウンドとメロディに彼女の歌声がマッチしていました。
その後、私は彼女が出演するTV番組・ラジオ番組は全てチェックし、ファンクラブにも入り、コンサートも観に行きました。ファンクラブイベントでは写真も撮らせてもらいました。その時の写真は実家にあります。小堺一機氏が主演を務めた『小堺クンのおすましでSHOW』にゲスト出演した時も観に行きましたよ。そうそう、本を出した時のサイン会にも行ったっけ・・・。とまあ、それくらいファンだったのです。
ちなみに、このデビュー作と2ndアルバム『COLORS OF LOVE』はポニーキャニオンの洋楽部門からのリリースでした。
レビュー
藤田朋子『THE WOMAN IN ME』（1989年）
（1）The Woman In Me
（2）Never Give Your Heart
（3）One Fine Day
（4）Wait For Me
（5）For All The Right Reasons
（6）Living Dangerously
（7）On My Own
（8）Summer Without You
（9）Fall Out Of Love
（10）I Will
Produced by 横倉裕
お気に入り度：
★★★★★ ★★★（8/10）
スローで落ち着いた雰囲気の洗練されたAORと言ったところでしょうか。それはもうタイトルトラックを聴けば一聴瞭然。洒落たアレンジとキャッチーなメロディで構成される楽曲は聴いていて安心感と心地良さがあります。
本作中、最もキャッチーな（2）「Never Give Your Heart」、キャロル・キングのカヴァーである（3）「One Fine Day」、14 Karat Soulがバックヴォーカルで参加した、THE BEATLESのアカペラ・カヴァー（10）「I Will」、スケールの大きなバラード（5）「On My Own」と聴き所が多いです。
ボサノバ風のサウンドアレンジと美しいメロディーが光る名曲（8）「Summer Wtihout You」での彼女のヴォーカルは素晴らしいです。シンセをフィーチュアした、ややハードなタッチの（6）「Living Dangerously」やディスコ調の（9）「Fall Out Of Love」は曲もさることながら、堂々たる歌いっぷりも実にカッコいいです。
藤田朋子さんは1987年にミュージカル『レ・ミゼラブル』でデビューしたそうです。ですから、英語や歌に関してはそれなりの下地があった訳です。本作に関して言えば、女優がちょっと売れて有名になったからCD出しちゃいました・・・って感じは微塵もないですね。昔ハマったCDとかを久々に聴いてみたら、実はあまりたいしたことなかったなんてことは良くある話ですが、この作品に関して言えばそのようなことはありませんでした。この作品が気になった方は中古屋で探してみるのも良いかも知れません。
