DRAGONFORCE!
今日はイギリス出身の多国籍バンド、DRAGONFORCEのニューアルバム『Reaching Into Infinity』のレビューをしたいと思います。DRAGONFORCEのサウンドは一言で言えば、メロディック・スピードメタル。エクストリームな音数と圧倒的なスピードを繰り出しながら、そこにメロディアスなフレーズを乗せていくというスタイルは他の追随を許さないものがあります。
レビュー
DRAGONFORCE『Reaching Into Infinity』(2017年)
(1)Reaching Into Infinity
(2)Ashes Of The Dawn
(3)Judgement Day
(4)Astral Empire
(5)Curse Of Darkness
(6)Silence
(7)Midnight Madness
(8)WAR!
(9)Land Of Shattered Dreams
(10)The Edge Of The World
(11)Our Final Stand
-special edition bonus-
(12)Hatred And Revenge
(13)Evil Dead(DEATH cover)
-Japanese edition bonus-
(14)Gloria(ZIGGY cover)
Produced by Jens Bogren
Marc Hudson(vo)、Herman Li(g)、Sam Totman(g)、Frédéric Leclercq(b)、Gee Anzalone(ds)、Vadim Pruzhanov(key)
お気に入り度:
★★★★★ ★★★★(9/10)
(1)Reaching Into Infinity
アルバムの幕開け。インスト。
(2)Ashes Of The Dawn
(1)から続く疾走チューンで、冒頭からクサメロが炸裂する名曲で、そのドラマティックな構成はガッツポーズもの! マーク・ハドソンの堂々たるハイトーン・ヴォーカルも凄い。ギターソロパートは相変わらずテクニカルかつメロディアスで、お馴染みの中華フレーズも健在!!
(3)Judgement Day
スペーシーなイントロからメロディック・ブラックメタル的なブラスト・ビートが炸裂し、次の瞬間にはキャッチーなメロディで爆走! ギターもキーボードも馬鹿みたいな速さでクサいソロを弾きまくる。それでいて、コーラスは非常にキャッチー! ラストのシンガロングも感動的だ。
(4)Astral Empire
冒頭から矢継ぎ早に繰り出されるヴォーカルとクサメロ・フレーズで疾走! 壮大に駆け抜けるコーラス。スローダウンしてからの間奏部分では非常にメロディアスなベースソロもあるぞ。最後は再び疾走し、ツインリードも炸裂する名曲!
(5)Curse Of Darkness
クサメロ&キャッチーなリフで幕開け。ミドルテンポの曲かと思いきや、ヴォーカルが入ると同時に疾走開始! 民謡風、あるいはネオクラシカル風なメロディ満載で展開していくドラフォらしい名曲!!
(6)Silence
サビが感動的なパワーバラード! じっくり聴かせる泣きのギターソロにも注目。
(7)Midnight Madness
キャッチーなギターメロディで疾走! 壮大でクサいサビ、美メロで攻撃的な長いギターソロの応酬、「オーオーオーオー」のコーラス・・・とドラフォ節満載の名曲。サム・トットマンの作る曲は激しさと速さの中にも親しみやすさを備えていて聴きやすい。
(8)WAR!
不気味なイントロからスラッシーなリフで爆走開始! 吐き捨て風のワイルドなヴォーカルで攻めていき、サビの部分でハイトーンヴォイスが炸裂し、くっさいメロディを歌う。「WAR!」の掛け声もカッコいい。テクニカルでエクストリームなギターソロも凄まじい。これぞ、ドラフォ流スラッシュメタル!!
(9)Land Of Shattered Dreams
攻撃的だが実はメロディはポップ! こちらも典型的な疾走ドラフォチューン。インストパートの組み立て方もドラマティックで、実に素晴らしい。
(10)The Edge Of The World
11分超えの超大作。静かなイントロからメロディアスなギターリフと壮大な歌メロで展開していく、ミッドチューン。途中の静寂叙情パートからの盛り返し、そしてマーク・ハドソンによるグロウルも強烈だ! 疾走チューンではないが、優れた完成度を誇る感動的な曲であることは間違いない。
(11)Our Final Stand
アルバムのラストを飾るに相応しい、キャッチーな疾走チューンで、歌メロはどこか爽やかで、その中に切なさも感じさせる。泣きメロ満載のギター・ソロも感動的だ!
(12)Hatred And Revenge
DVD付スペシャルエディションのみのボーナス・トラック。民謡風のくっさいメロディ満載の疾走チューン! このクサさと大仰なアレンジはやはりトットマン!
(13)Evil Dead(DEATH cover)
こちらもスペシャルエディションのみのボーナス・トラックで、何とフロリダ産デスメタルバンド、DEATHのカヴァー。オリジナルはDEATHのデビューアルバム『Scream Bloody Gore』(1987年)に収録されている。ナンバー。凄くカッコ良く、よりアグレッシヴな仕上がりになっていますな。イーヴルウウウウウ~デッ~ド!!!! ラストのゲーム音も面白い試み。
(14)Gloria(ZIGGY cover)
話題の日本盤ボーナス。ZIGGYの名曲のカヴァーです! DRAGONFORCE流のサウンドに、ドラマティックに仕上げてますな。
曲作りのイニシアチブがサム・トットマンからフレデリク・ルクレールに移りましたが、相変わらずハイ・クオリティな曲が詰まったアルバムです。個人的にはクサさが若干軽減したかなと。それでも十分にメロディアスで叙情的で暴力的な速さなんですがね。新機軸である大作やスラッシュチューンの試みも素晴らしいです!! メロスピ・ファンは要チェック!