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BANG YOUR HEAD!! ~激しく頭を振りまくれ!~

水樹奈々、「まどマギ」、「ラブライブ!」が好きなメタラーです! 音楽、食べ物、アニメ・・・他、自分が感動したり良いと思ったことを書いていきます。

名作の最終回にはロマンが詰まっている!『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』に学ぶ、最高に素晴らしい最終回に必要な条件とは?



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最終回!かくあるべし!!


7月から放映されていた王道武侠ファンタジー人形劇『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』(以下『サンファン』と省略)が先日、無事に最終回を迎えました。毎週欠かさず観ては熱狂していた作品が終わってしまうのにはとても寂しいものがあります。精巧で美しい人形がまるで生きているかのように、これでもかと動き回るという映像は、これまで見たことがない世界でした。VFXによる巧みな演出と全く先の読めないストーリー展開には毎回ドキドキしっ放し。手に汗握り集中する30分はあっという間に過ぎて行きました。毎回終わる度に、その見事な脚本に感嘆の声を挙げたものです。それは最終回とて例外ではなく、全てが終わった瞬間、私の心は深い充実感と感動に満たされていました。おそらく、この作品の殆どのファンがそう感じたのではないでしょうか。このような感覚は実に久し振りでした。


<物語>というものが最終回を迎える時の一つのお手本とも言うべき構成と内容でした。それはまさに、「最終回、かくあるべし!」と主張していました。


夏から観ていた他のアニメ作品も同じような時期に最終回を迎えました。しかし、『サンファン』ほど、素直に感動出来て、納得が出来る最終回はありませんでした。観終えた後にまあまあ良かったかな、と思う作品もあるにはありました。でも、最終回の内容に失望したり、物足りなさを感じたり、すっきりしなかった作品もありました。なぜ失望するのでしょう? なぜ物足りないのでしょう? なぜすっきりしないのでしょうか? 原因は一体どこにあるのでしょうか? そこで、良い最終回に必要な条件とは何かを考えてみることにしました。


以下、『サンファン』の最終回の内容についてふれている箇所が出てきます。未だ観ていない方は御注意下さい!


最高に素晴らしい最終回に必要な条件

 

1.クライマックスの描写があること。
2.伏線が回収されていること。
3.物語を一度きちんと終えること。
4.後日談があること。
5.サプライズがあること。

 

実はこれらの条件は、<視聴者(ファン)が最終回に期待しているもの>と言い換えることも出来ます。このうち、1~3の条件は必須です。だから赤で書いてます。このどれかが1つでも欠けていたり、弱かったりすると最終回は台無しです。最終回なのに、まるでこれは打ち切りエンドかというような様相を帯びてきます。


4と5は出来ればあった方がいい条件です。後でも述べますが、<後日談>は最終回の内容により深みを与えますし、<サプライズ>要素はファンをより熱狂させるでしょう。それにより、最終回の評価も更に上がるという訳です。ただし、これは1~3という土台がしっかりしていなければ上手く機能することはありません。何の前触れや伏線もなく、最終回にいきなりサプライズをぶち込んでも駄目なのです。逆に言えば、<後日談>や<サプライズ>がなかったとしても、<クライマックスの描写>があって、<伏線>が回収され、<物語を一度きちんと終えること>が出来れば、それはそれで良い最終回になるのです。


最も重要なことがあります。それは最終回に至るまでの積み上げです。名作と呼ばれる作品は、1話から最終話に至るまで全く隙がありません。不要なシーンも不要な回もありません。全て必要なものなのです。1話毎に<起承転結>があり、作品全体を通して見ても<起承転結>を踏まえた構成になっているはずです。それは綿密に練られた脚本に拠ります。だからこそ、最終回が盛り上がるのです。最高の最終回を迎えられるように、脚本も演出も練られているんです。言ってみれば、最終回に向けての準備は第1話から始まっているのですよ。よく、最終回で尺が足りなくて詰め込み過ぎって作品ありますよね。そのような作品に限って、あまり重要ではないシーンに時間をかけていたり、不要な回があったりするものです。


1.クライマックスの描写があること。


最も盛り上がるべきシーンですね。ここが不完全燃焼になってしまうと、物足りなさを感じてしまいます。クライマックスとは一言で言えば、最終決戦! それは作品が恋愛ものであっても例外ではないと思います。ラスボスとの戦いです!『北斗の拳』のケンシロウVSラオウ、『ジョジョ』第3部の承太郎VSディオ。『サンファン』の最終回では<凜雪鴉VS蔑天骸>、そして、<殤不患VS魔神妖荼黎>という2つの超絶クライマックスがありました。決戦の時のキャラクターたちの台詞も、人形の動きもVFXも凄過ぎて、一瞬たりとも目が離せない熱い闘いでした。


2.伏線が回収されていること。


これまでに張り巡らされてきた伏線はきちんと回収される必要があります。ファンは当然、伏線が回収されることを期待しているのですから。丸投げエンドは駄目よ。レディM? 誰ですか、それは。


3.物語を一度きちんと終えること。


伏線が回収出来ていなかったり、尺が足りないと、「で、結局どうなったの?」って言われかねない中途半端な終わり方になってしまいます。問題を残したまま終わってしまっては、観ている方ももやもやが残り、それはやがて不満となり、作品への評価にも影響してきます。逆に言えば、伏線がきちんと回収出来ていれば一度、きれいに物語を終えることが出来るはずです。


4.後日談があること。


最終回が素晴らしい作品は、後日談を蔑ろにせず、それどころか必要な時間を十分に取って、丁寧に描写しているというのが私の個人的な見解です。後日談は主人公たちが目的を達成し、問題が解決した後の束の間の日常。私達は後日談を観ることによって、キャラクター達のその後や世界のその後に思いを馳せることが出来るのです。時として、新たなる物語の始まりを感じることもあるでしょう。感動の余韻を残しながら、作品は幕を引きます。クライマックスで得た興奮を後日談でクールダウンさせ、私達は物語の世界に一度別れを告げるのです。その時点で満足感・充足感を得ることが出来たなら、その作品はあなたにとって特別なものです!


5.サプライズがあること。


あるキャラクターの衝撃の事実が判明したり、最後の最後で大どんでん返しがあったりすると、その最終回は視聴者に強烈な印象を与えることが出来ます。伏線を回収する上で発生することも多いかと思われます。が、これまでに作中で語られたことと矛盾があってはいけません。また、これまで伏線も何も無かったのに、急に取って付けたような設定を出してくるのも逆効果です。緻密に練られた伏線があるからこそ、その仕掛けはサプライズとして機能するのですから。放映終了直後にある、続編制作決定の告知や劇場版の告知もサプライズの要素になります。これも良い最終回を迎えられた作品にはプラスに作用します。


しかし、どうでしょうか? 最終回でも物語が終わらない、伏線も丸なげで時間切れの中、放映が終了して、画面の前で途方に暮れている時に「劇場版」の文字が流れてきたとしたらどうでしょうか? ふざけるなって思いませんか? いや、これが全く新しい物語だったらいいですよ。でも、TV放送で終わらなかった物語の結末をなぜ「劇場」で見なけりゃならんのよ、となる訳です。

 

3作品の最終回を比べてみる


ここで例として、『サンファン』を含めた3つの作品の最終回を、上に挙げた条件に照らし合わせてみることにします。あとの2つの作品はちょうど『サンファン』と同じ時期に最終回を迎えた『マクロスΔ』と『ラブライブ!サンシャイン!!』。


『マクロスΔ』 の場合


2クールあったのだから、もっと上手くやれたはずなのに・・・。というのが、正直な感想。部分的には盛り上がったり、熱くなった場面もあったんだけどね。ファイターモードでの空中戦ばかりというのも疑問。

クライマックス描写

うーん、それなりに迫力はあったけど、物足りないかなと。『マクロスF』の方がクライマックスって演出してたな。元々小規模戦闘が多かったし、ファイターでの戦闘がメインだった中、最終回ではスパーパックを装備したり、ガウォークモードやバトロイドモードも見せてくれたのは評価するけど・・・。

伏線の回収

レディMって何だったの? 初代『マクロス』と関係あり? 美雲やワルキューレはこれからどうなるの? フレイアの寿命は?

物語を終えること

終わったって言えるのかなあ。多くの謎や疑問を残したまま。

後日談

なし。主要キャラたちはその後どうするのか。統合軍に喧嘩売ったウィンダミア王国もただでは済まないだろうに。

サプライズ

うーん!?


『ラブライブ!サンシャイン!!』の場合


毎回、気になる箇所はあったのだけど、十分許容範囲だった。1クールしかない中で各キャラに焦点を当てることも出来たし、Aqoursとしてのライブ活動も描くことができた。最終回は<ラブライブ!>の地区予選。その前の回までに色々あった問題は解決済みで、あとは思い切りライヴをやるだけ! ・・・のはずだったのに。腑に落ちない結末だった。詳細はコチラ

クライマックス描写

失敗。ライブ前に各メンバーの心情を描写する場面があって、そこから気持ちも高ぶり、「さあ、行こう!」となった直後に、長い寸劇が入り、それまでの高揚感はあっという間に削がれてしまった。ライブシーンは流石に素晴らしいものだったが、席を離れてステージの近くに駆け寄るモブや犬の描写に、再び冷める。寸劇入れずに、そのままライブに突入してしまえば、ベストではないがそれなりにグッドな最終回になったのに。制作側が良かれと思って入れたものが却って仇となってしまった例。

伏線の回収・物語を終えること

まだまだ物語が続いていくのは分かるが、とりあえず地区予選の結果はどうだったのよ? 統廃合問題に目処はついたのか?

後日談

なし。余計なモブシーン入れるなら、後日談で地区予選の結果とか学校説明会の結果とか入れて欲しかった。

サプライズ

モブがAqoursと一緒にステージに立つという計画と寸劇パート。恐らく、サプライズのつもりだったんだろうが、完全に空回りだった。しかもこれがあったせいで、せっかくのクライマックスが無駄に終わり、後日談に費やす時間もなくなってしまった。


『サンファン』の場合


パーフェクト! 毎回丁寧に作り込んでいるのが分かった。最終回の手前、第12話の時点でお膳立ては全て整っていた。最終話では衝撃的なクライマックスをこれでもかと盛り込み、伏線も回収し、後日談もあるという素晴らしい流れに。それでいて、詰め込んだ感じや駆け足な感じは全くなかった。本作の総監修を務め、脚本を担当した虚淵玄氏の発想やセンス、アイディアの昇華の仕方には脱帽。


クライマックス描写

まずは、<凜雪鴉VS蔑天骸>。第12話のラストで凜雪鴉は蔑天骸に対して剣を構えた。最終回はこの続き。もうこの時点でアドレナリンがどばどば出ている。盗賊のお前は本当は剣の使い手だったのかーっ!? しかも、蔑天骸よりも優れた剣士であることが暗に示される。魑翼を用いた小競り合いを経て、両者が奥義で激突する!! 視覚と聴覚に訴えかけるド派手なアクションとドラマティックな音楽、過剰なまでに炸裂するVFX。これがクライマックスでなくて、何であろう! 


そして、<殤不患VS魔神・妖荼黎>。魔神の復活で、仲間達がこの世の終わりだと嘆く中、いつもの調子で冗談を言い、飄々とした態度で魔神・妖荼黎の元へ向かう殤不患。殤不患が十分に強過ぎるのは知っているが、魔神相手にどんな策があるというのか? その巨大な姿と強大な力の前では人は虫けらも同然の扱いなのに。しかし、ここで殤不患が何者かが明かされるのである! 魔剣目録の所持者である殤不患は一振りの魔剣を用いて、妖荼黎を追放することに成功するのである。まさに血沸き、肉踊るクライマックスである。

 

伏線の回収

実は過去に剣を修めたこともある凜雪鴉の事情や殤不患の正体と本来の旅の目的、丹翡と捲殘雲との関係、そしてサブタイトル「新たなる使命」の意味するものなど、様々な伏線が無理なく綺麗に回収されている。お見事!

物語を終えること

新たな物語の始まりを予感させつつ、綺麗に終わっているッ!!

後日談

Bパートの前半にはラスボスとの戦いが終わり、問題が解決。残りを後日談に当てており、キャラクター達のその後を垣間見ることが出来た。新たなる使命を帯びた丹翡と捲殘雲。旅の終わりと仲間との別れは、新しい物語の始まりを告げる・・・。そして、後日談にもサプライズ要素や演出が満載。

 

サプライズ

盗賊の身である凜雪鴉が蔑天骸以上の剣の使い手だったり、凜雪鴉に敗北した蔑天骸が魔神の封印に必要な天刑劍を破壊してしまったり、強大な力を持つ魔神が復活してしまったり、殤不患の正体とか彼の旅の目的とか・・・とにかく、サプライズだらけ!

魔神・妖荼黎を追放した殤不患は、丹翡と捲殘雲に別れを告げることなく旅立つ。旅立つ直前に殤不患は凜雪鴉から餞別として赤い傘を貰うのだが、凜雪鴉と別れて間もなく、彼は嵐がやって来るのを知るのだった。嵐の前には傘など気休めにもならないと呟くと、傘を放り投げる・・・。殤不患の手を離れた傘は開いたまま中を舞い、やがて石仏の元へ落下。しかもこの間、最後の最後に殤不患の念白(そのキャラクター性を表現する詩のこと)が読み上げられるという演出! 大木と壊れた仏堂。そして、赤い傘と石仏像。そう、これは第1話の再現!! 殤不患が今回の物語の始まりの場所へと戻って来た。石仏から傘を借りた殤不患が、今度は石仏に傘を返す。何て粋な演出なんだ!! この神演出はマジに鳥肌モノだった。ファンの涙腺が決壊したとしても、ちっとも不思議じゃない。

更に追い討ちをかけるように、エンディングロールが終わった直後にTV画面に現れた、<続編制作決定>の文字!!!! ガッツポーズで歓喜の叫び!!!


名作の最終回にはロマンが詰まっている!!


最高に素晴らしい最終回に必要な条件である<クライマックス描写>、<伏線の回収>、<物語の終わり>、<後日談>、そして<サプライズ>。『サンファン』の最終回が凄いのは、この全てを高い次元で実現していることです。そこにロマンを感じます! どの場面を切り取っても、主要キャラはいちいちカッコいいし、その台詞やアクションにも凄まじい説得力があります。ユーモアもあるしね。もう凄過ぎて、理由もなく叫びたくなります! そう、これはロマン!! 誰が何と言おうと、『サンファン』の最終回にはロマンが詰まっているのです!


名作の最終回にはロマンが詰まっている!!


以上っ!!