六弦アリス 「新興宗教 万華教」(2009年)
(1)新興宗教
(2)万華教
(3)ヴァルハラの騎行
(4)白と黒
(5)先天性ドルチェ
(6)本能
(7)純心セイレーン
(8)偽善の調べ
(9)浅い眠り
(10)犠牲者たちの夜
(11)愛の賛歌
(12)ワルキューレの詩
六弦A助(programing)、櫻井アンナ(vo)
93点
Hiroです。
今日は六弦アリスさんの8thアルバム、『新興宗教 万華教』をレビューします。
本作は、7th アルバム『Omen of Seven』に収録されている、「万華教の人々」という曲がコンセプトとなっています。
アルバムは怪し気な祈祷風のコーラスで幕を開けます。続く(2)「万華教」はモダンなリフで疾走し、バックでストリングスが耽美なメロディを奏でるという王道的な展開をみせるキラー・チューンで、クサメロや技巧的なフレーズがさり気なく繰り出されるのが、快感!! モダンなリフの中に突如、QUEEN風のコーラスが出現する(3)「ヴァルハラの騎行」はプログレ的な展開を見せますが難解さはなく、あくまでも、歌メロが主体。
バラード風の(5)「先天性ドルチェ」と(9)「浅い眠り」はそれぞれタイプの違う曲ですが、美メロ・哀メロが光る名曲です。(6)「本能」はインダストリアル風のラウドな曲で、何と櫻井アンナ嬢によるラップやA助氏によるデス声風のシンガロングも登場!!
(7)「純心セイレーン」は超名曲!! このアルバムの中で一番好きな曲です。メロディアスなイントロを経て、泣きのストリングスを纏って疾走し、哀愁の歌メロを撒き散らしていきます!!
楽曲はヴァラエティになり、ヘヴィな要素も増えましたが、メロディのクオリティは他の追随を許しません。また、“万華教” という架空の新興宗教の教え・考え方が歌詞にも登場するのですが、(例えば、<物事を見極めることが肝要>とか、<何が正しいのか 量るべきはその本質>等)、この辺は後に展開されていく、“音哲学シリーズ” にも通ずるものがあると感じました。