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PRAYING MANTIS(プレイング・マンティス)2nd Album『Predator In Disguise』レビュー



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前回までのプレイング・マンティス 

 
PRAYING MANTISはイギリス出身のハードロック/ヘヴィメタルバンド。1981年にアルバム『Time Tell No Lies』でデビュー。ドラマティックな楽曲と透明感溢れる美しいツインリード・ギター、そしてコーラスハーモニーで多くの美旋律愛好家のハートをキャッチ。しかしながら程なくしてマネージメントとの関係が悪化。レコード会社からも契約を切られアルバムは廃盤に。バンドはメンバーチェンジを繰り返しながらも活動を続けるも、シーンから消滅。




時は流れ、1990年。日本で行われたNEW WAVE OF BRITISH HEAVY METAL 10周年記念コンサートをきっかけに、バンドはティノ・トロイ、クリス・トロイ、デニス・ストラットン、ブルース・ビスランドの編成で再結成。



そして、1991年。


10年振りのセカンド・アルバム『Predator In Disguise』が姿を現す!!

レビュー

 

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 PRAYING MANTIS『Predator In Disguise』(1991年)

(1)Can't See The Angels
(2)She's Hot
(3)Can't Wait Forever
(4)This Time Girl
(5)Time Slipping Away
(6)Listen What Your Heart Says
(7)Still Want You
(8)The Horn
(9)Battle Royal
(10)Only You
(11)Borderline

Produced by TIno Troy & Dennis Stratton

Tino Troy(g)、Chris Troy(b / vocal on #1 #3 #5 #9 #11)、Dennis Stratton(g / vocal on #2 #4 #6 #7 #10)、Bruce Bisland(ds)

お気に入り度:
★★★★★ ★★★☆(8.5/10)


PRAYING MANTISと言えば、デビュー作の、ロドニー・マシューズによるあのアートワークが強烈でした。本作でもロドニー・マシューズが新たにアートワークを描き下ろしており、こちらも素晴らしい出来です。デビュー作は淡いスカイ・ブルーでしたが、今回はオレンジ色。この2ndアルバムは当時、アナログ盤もリリースされました。私はアナログ盤とCDの両方を買いましたよ! アナログのジャケットはやっぱり迫力が違いますしね。アルバム・タイトルの、“predator in disguise”という言葉はデビュー作のタイトル『Time Tells No Lies』同様に名曲「Children Of The Earth」の歌詞の一節からとられています。なかなか興味深いですね。ロドニー・マシューズのアートワークと、前作を踏襲する形でつけられたアルバム・タイトル。これらはファンにとって、とても感慨深いものでした。期待するなというのが無理な話。そして、ラジオでオンエアされた新曲「Can't See The Angels」の素晴らしさにファンは涙を流し、来るべきアルバムの発売日を心待ちにしていたのでした。


待ちに待ったアルバム発売日。ところが実際に蓋を開けてみると、「?」な曲も多く、疑問が残る内容でした。先の「Can't See The Angels」を聴いて、1stアルバムのような叙情的でメロディアスなハードロック路線を期待していた分、余計に落胆も酷かった気がします。アルバムの楽曲について、1曲ずつ見て行きましょう。


PRAYING MANTIS復活作の1曲目である「Can't See The Angels」はマンティス節満載の名曲! 哀愁漂う美メロに泣きのツインリード! 楽曲をよりドラマティックに彩るキーボードサウンド。この完璧な楽曲にファンの誰もがバンドの完全復活を確信したでしょう! 「あの、プレイング・マンティスが帰って来た! トロイ兄弟万歳!!」と。しかし、その思いは早くも次の曲で裏切られる。2曲目「She's Hot」。もうね、タイトルからして嫌な予感はしていた。そして誰もが耳を疑った! デニス・ストラットンが中心となって作られたこの曲は、“陽気でアメリカン寄りな”ハードロック。叙情美や美旋律を売りにしているマンティスに誰がこれを期待するって言うんだよ~!? 曲自体は悪くない。PRAYING MANTISとして聴かなければ、良質のハードロックなのは間違いない。3曲目「Can't Wait Forever」は叙情的な雰囲気が良いバラード調の曲で、悪くはないんだけど曲の印象は薄い。4曲目「This Time Girl」。デニス曲。ポップでアメリカンなハードロックで、ちょっと哀愁もある。個人的にこれは結構好きな曲だ。マンティスがやる必然性は全く感じないけど。当時のある雑誌のレビューで、「清涼飲料水のCMに使われそうな曲」みたいに書かれてたけど、まさにそんな感じの曲。5曲目「Time Slipping Away」。かつて幻のデモテープに収録されていたという名曲の新録で「これぞ、マンティス!」な超メロディアスで叙情美溢れるハードロックの名曲。ちなみに、叙情美や哀愁に関しては実はオリジナル・デモ音源の方が数倍上なのよ。6曲目「Listen What Your Heart Says」もデニス作で、バラードタイプの曲。これは雰囲気といい、叙情的な歌メロといい、とても良いと思う。何より、洗練されたアレンジが光ってる。7曲目「Still Want You」。デニス作の、ポップでキャッチーなアメリカン寄り良質ハードロック。PRAYING MANTISとして聴かなければ・・・。8曲目「The Horn」はトロイ兄弟作のドラマティックなインスト。やっぱ、これでしょ、コレ!! そして、トロイ兄弟の才能の凄さを改めて実感させられる9曲目「Battle Royal」も叙情美溢れる名曲で、ギターも泣きまくり! この叙情的な流れでアルバムを締め括って欲しかったのに、次の曲がデニス曲「Only You」。いや、誤解を恐れずに言えばこれは凄く良い曲なのよ。アップテンポでキャッチーな良質のメロディアス・ハードなんだから。でも、マンティスらしさは皆無という(笑) そしてアルバムの最後を締め括る、トロイ兄弟作の「Borderline」はミッドチューンで、哀しげなメロディと美しいコーラス・ハーモニーが感動を呼ぶ名曲。


このアルバムの中にはトロイ兄弟が作った叙情的で美しいハードロックとデニス・ストラットンが作ったアメリカン寄りの陽気なハードロックが入り混じっています。正直、このバンドにアメリカン寄りのハードロックを求めているファンはいないでしょう。デニスの曲はちょっと能天気過ぎます。それは曲名からも分かります。トロイ兄弟が「Battle Royal」や「Borderline」で戦場や兵士の悲劇を、「Time Slipping Away」で時間をテーマにした歌詞を書いているのに対して、デニス氏は「She's Hot」で“今夜あの娘はアツくなってる”、「Still Want You」では“まだお前が欲しい”、「Only You」では“俺のハートを真っ二つに割れるのはお前だけ”と書いているのですから・・・。ただし、これだけは言っておきたいことがあります。アメリカン風のデニス曲もPRAYING MANTISとして聴かなければ、これはこれで高品質なハードロックであることには間違いないということです。でもね~、困ったことにアルバムの中で、デニス・ストラットンの曲はトロイ兄弟の叙情的な曲の余韻をぶち壊して行くんですよ。だからアルバムを聴いても散漫な印象になってしまうという・・・。1曲1曲はいいのにね。

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<Can't See The Angels>




<This Time Girl>





<Borderline>



PREDATOR IN DISGUISE

PREDATOR IN DISGUISE

  • PRAYING MANTIS
  • ロック
  • ¥1050