子供にせがまれたので
クレヨンしんちゃんの映画を観に連れて行きました。
TVアニメのしんちゃんは子供と一緒に観ることもたまにあります。地上波で放送された劇場版も何本か観ました。『クレヨンしんちゃん』は子供向けの作品とは言えども、特に劇場版は大人が観ても十分に面白いことはこれまでの経験から分かっていたので、じゃあ行くか、というノリで劇場に足を運びました。
『クレヨンしんちゃん』の劇場版をリアルタイムで観るのは人生初のこと！
結論から言えば、凄く面白かったです。ギャグが面白いことに加えて、この作品で扱っているテーマが実は結構深いのですが、脚本も良く練られているなと感心しました。大人だからこそ分かる場面や台詞がほどよく散りばめられています。
あらすじ
ある日、巨大な魚に呑み込まれる夢を見たのをきっかけに春日部市民たちは夢の中で巨大魚の体内にある不思議な世界に迷い込む。そこではやりたい事が自由にできるということで市民たちは自分の夢に浸っていくが、その中で大人たちは楽しい夢を奪われて魚の体内に放り出されてしまう。魚の体外は地獄のような世界で次々と現れる恐ろしい出来事=悪夢にうなされた大人たちは次第に元気を無くし、日が経つにつれて子供までもが夢を奪われて悪夢ばかり見るようになってしまう。それに気づいたしんのすけ達カスカベ防衛隊は原因を探るため、悪夢のせいで元気を無くしたマサオの代役として春日部に引っ越してきた少女・貫庭玉サキを仲間に加えて夢の中に入り、その原因がサキの父親・貫庭玉夢彦であることを突き止める。夢彦は悪夢しか見られないサキのために人々の夢を操っては楽しい夢を奪い取り、そのパワーでサキの悪夢を中和していたのだ。風間、ネネ、ボーも悪夢を見る様になる中、真相を知ったしんのすけはサキの幸せのためにサキの悪夢を獏に食べさせるという作戦を考え、野原一家は揃って夢の中へ入っていく。（クレヨンしんちゃん爆睡！ユメミーワールド大突撃-Wikipediaより）
感想
子供から大人まで楽しめる作品です！！ 満足度は９０％！ テーマが深いながらも見事な脚本・構成で途中、何度も涙腺が緩んでしまいました。上映中はシリアスなパート以外は子供たちの笑い声が絶えませんでした。
サキの悪夢の原因となったのが、彼女の母親の死。自分のせいで、母が死んで、その母はきっと自分のことを恨んでいる。それがトラウマとなっているのです。父夢彦は他の人々の夢を奪い、そのユメルギーというパワーでサキの悪夢を中和。そしてサキには友だちを作るなと命じます。娘を思うあまりの父の歪んだ愛情がサキを実生活の上でも孤独にしていきます。
しんちゃん達、かすかべ防衛隊も最初、サキの悪夢を無くそうとします。悪夢と闘ったり、悪夢を食べてくれるという伝説の獏を探したりと奮闘します。最終的にはしんちゃん自身が獏に変身して悪夢を食べるのですが、悪夢は際限なく生まれ出るので、しんちゃんの手にも負えくなります。この悪夢の表現や演出がマジに怖い！ ちいさいお子さんにはキツイかも！！
サキを悪夢から救うきっかけとなったのが、しんちゃんの母みさえの言葉。みさえが母が子を思う気持ちというものを、それこそ身体を張ってサキに伝えるのです。その言葉の意味を理解した瞬間、悪夢の力は弱まります。そのまま完全に悪夢を消すことも出来たはずなのですが、サキはそうしません。悪夢と向き合い、自分の一部として一緒に生きていくという選択をするのです。その選択をした時、サキはトラウマから開放されたのでした。この解決の流れには思わず唸りました！
確かに、下品なギャグもあるので、そこが嫌だという方もいると思います。ちなみに、以前の妻がそうでした。長男がまだ幼児の頃、家では絶対に『クレヨンしんちゃん』を見させなかったくらいです。ところが、後になって分かったのですが、実は保育園では先生たちが子供たちに普通に見せていたという事実！！ それを知ってからは妻も寛大になり、家でも『しんちゃん』を見ていても何も言わなくなりました。一緒に見るうちに、固定観念や先入観が払拭されていったようです。下品な部分もあるけど、それ以上にいい話もある。
今回の劇場版も期待以上の面白さでした。
たくさん笑って、たくさん泣きたい方は是非、ご覧になって欲しいです！
～おまけ～
見て楽しいパンフレット！ 劇中に登場する、獏を作ることが出来る、ペーパークラフトもついています！！
