今更だけど、METALLICAの『Hardwired...To Self-Destruct 』のレビューをします。以前、CDのリリース直後にざっと聴いた感想をアップしました。
気が付けば、あれから1月半。その間にだいぶ聴き込みました。2枚組なのでヴォリュームが凄いし、内容も濃密です。特にディスク2はミッドチューンの大作ばかり。なので、やや冗長な印象を受けるのもまた事実。しかし、それを差し引いても良作だと思います。ちなみに、今回レビューするのはボーナスディスク付の、“デラックスエディション”です。
METALLICA『Hardwired...To Self-Destruct 』(2016年)
Disc1
(1)Hardwired
(2)Atlas, Rise!
(3)Now That We're Dead
(4)Moth Into Flame
(5)Dream No More
(6)Halo On Fire
Disc2
(1)Confusion
(2)ManUNkind
(3)Here Comes Revenge
(4)Am I Savage?
(5)Murder One
(6)Spit Out The Bone
Disc3・・・ボーナスディスク。詳細は後述。
Produced by Greg Fidelman、James Hetfields、Lars Ulrich
James Hetfield(vo、g)、Kirk Hammett(g)、Robert Trujillo(b)、Lars Ulrich(ds)
お気に入り度:
★★★★★ ★★★☆(8.5/10)
レビュー
ディスク1
(1)Hardwired
ハードにドライヴする疾走チューン! 3分台という短さで勢いもあって掴みはOK!! 素晴らしくかっこいいアルバムの幕開けですな!
(2)Atlas, Rise!
こちらも小気味良く疾走! 緩急のつけかたもいいですし、叙情的なギターフレーズも散りばめられています。エモーショナルで長いギターソロは聴き入ってしまいますね。しかも、ソロの後半はメロディアス過ぎて悶絶・・・! 大作だけど長さを感じさせない構成。こういうのを待っていた!
(3)Now That We're Dead
7分のミッドチューン。曲のタイプはハードロックだけど、飽きさせないしMETALLICAは上手くやっていると思う。こういうリフは大歓迎!!
(4)Moth Into Flame
Bメロの終わりからメロディアスに疾走していくのが実にカッコいい! その後のサビも決まってる! リズムチェンジしてからのエモーショナルなギターソロも最高過ぎるッ!! 名曲だな。
(5)Dream No More
重厚で不穏な雰囲気で始まるミッドチューン。まあ、これはこれで悪くは無い。ドラマティックに盛り上がるギターソロは流石とも言うべきか。
(6)Halo On Fire
ディスク1のラスト。何と、8分15秒もある! ドラマティックなイントロに続くメランコリックな歌メロ、起伏に富んだ曲展開とこれまた良い。疾走はしないんだけど、十分魅力的な曲。それにしても、エモーショナルなギターが耳に心地好いなあ。
ディスク2
(1) Confusion
重厚なイントロ。その後の地の底から迫ってくるような緊迫感のあるリフがカッコいい! ザクザク、ザクザク、ザクザク!! こういうミドル曲は良いね!
(2)ManUNkind
7分超えのミッドなハードロック・チューン。まあ普通かな。部分的には好きなパートもある。後半アップテンポになると見せかけておいてならないんだな、これが(笑) でもこの後半の歌メロやソロの展開は好きなんだけど。
注意:PVはグロあり!!
(3)Here Comes Revenge
7分25秒のミッドチューン。起伏のあるリフはカッコいいし、悪くは無いんだが、決め手にかけるか? このアニメーションを使用したPVは不気味で面白い!
(4)Am I Savage?
う~ん、これは長いし退屈だなあ。間奏のインストパートはまあまあ。
(5)Murder One
今は亡き、MOTORHEADのレミー・キルミスターに捧げた曲。と聞いたら、嫌でも期待してしまう訳で。う~ん、悪くはないんだけど・・・。ダーティーな疾走ロックンロールを期待していたので肩透かし。逆にこの曲のPVはレミーへの愛に溢れていると感じたッ! HAWKWIND時代も含めたレミーの生い立ちが描かれているからね。
(6)Spit Out The Bone
きたー!! こういう曲を待っていたッ! クーッ! カッコいい! 攻撃的な疾走チューンで疾走し、ドラマティックに展開していく。でもそこはメタリカ。引っ張る、引っ張る。約7分の大作!! でもツインリードも劇的に盛り上がるし、長さを感じさせない。今でもこういう曲がかけるのは凄い!! 謎の侵略者と戦うB級SFチックなPVは後味悪いけど(笑)
総評
ディスク1は申し分無し!! ディスク2はラストの「Spit Out The Bone」以外はミッドチューン(しかも長い曲が多い!)で占められているので、途中どうしても冗長な印象になってしまうのは否めない。曲単位で聴く分にはいいんだけどねー。でもそういったことを差し引いても、力作じゃないかと思う。「Hardwired」や「Atlas,Rise!」、「Moth Into Flame」そして「Spit Out The Bone」といったファストな曲はドラマティックだ。クールなリフがグイグイと押し寄せてくるし、メロディアスなツインギターもフィーチュアし、グルーヴ感もある! ミッドチューンも「Now That We're Dead」や「Confusion」は素晴らしいリフが満載だ。どの曲にも聴き所はあるし、円熟味を増したプレイとMETALLICAサウンドはまさに王者の貫禄だと思う。あとは実際に聴いてみて判断して欲しいと思う。まあ、METALLICAファンは勿論のこと、全てのメタルファンは買いってことです!!
ディスク3(ボーナスディスク)について
Disc3
(1)Lords Of Summer(re-recording)
(2)Ronnie Rising Medley(A Light In The Black/Tarot Woman/Stargazer/Kill The King)
(3)When A Blind Man Cries
(4)Remember Tomorrow
(5)Helpless(live)
(6)Hit The Lights(live)
(7)The Four Horsemen(live)
(8)Ride The Lightning(live)
(9)Fade To Black(live)
(10)Jump In The Fire(live)
(11)For Whom The Bell Tolls(live)
(12)Creeping Death(live)
(13)Metal Militia(live)
(14)Hardwired(live)
(1)「Lords Of Summer」は2014年にデジタルシングルとしてリリースされた曲のリメイク版。疾走チューンで、これが意外にもカッコいいのよ。例によって7分の大作。なぜ、長くなってしまうのか(笑) まあ、叙情的なギターソロがあるからいいや。
(2)はロニー・ジェイムス・ディオ在籍時のRAINBOWのカヴァーメドレー。かつて、ロニー・ジェイムス・ディオのトリビュートアルバムに提供したもの。原曲に忠実なカヴァーだけど、これはセンスがあるなあ。METALLICAは名曲のカヴァーをやらせても上手い!
(3)はDEEP PURPLEのカヴァー。
(4)はIRON MAIDENの名バラードのカヴァー。曲の本編は原曲に忠実だが、「Creeping Death」のイントロに似たカッコいいパートを曲のイントロとアウトロに加えており、劇的な仕上がり!! カッコいい!!
(5)~(13)は2016年4月16日、カリフォルニアでのライヴ音源。DIAMOND HEADのカヴァーである(5)を除けば、他は全て彼らの1st、2ndアルバムからの選曲。演奏は素晴らしい! が、当時の曲、特に高音で歌ったりシャウトがある曲は現在のジェイムズにはちと厳しいな・・・!
(14)は2016年8月20日、ミネソタでのライヴから。やっぱり、この曲は凄いインパクトがあるな~!! ライヴ映えする曲だね。
ボーナスディスクは約80分収録!!
どうせならお得な、デラックスエディションをゲットしよう!!