BANG YOUR HEAD!! ~激しく頭を振りまくれ!~

水樹奈々と「まどマギ」が好きなメタラーです! 音楽、食べ物、アニメ・・・他、自分が感動したり良いと思ったことを書いていきます。         このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

息子が親の金を盗っていました。~消えた1万円~前編



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はじめに


皆さんはまだ子供の頃に親の財布からお金を盗った経験はあるだろうか? 恥ずかしながら、私はある。小学生の頃、母親が押入れの奥にしまってある財布から数千円抜き取り、好きなだけゲームをやったりガチャガチャをやったことがある。調子に乗った私は母が留守の度に押入れを漁っては、札を抜き取っていた。しかし、何回目かに母にバレてしまい、当然のことだがひどく叱られた。その時になって初めて、自分は大変なことをしてしまったのだという思いが沸き、深く反省した。それ以来、親の金に手をつけたことはない。

同様の経験は皆あるのだろうか? 妻に聞いてみたところ、「ある」とのこと。職場の同僚数名にも聞いてみたが、皆「ある」と言っていた。ただ、結局はすぐに発覚してしまい、こっぴどく叱られた後に深く反省したそうだ。子供は親の金を盗るものなのだな。過ちを犯し、反省する。成長に必要なプロセスなのかもしれない。

数ヶ月前になるが、同僚の一人(女性)と子供の話題で盛り上がっていた時、彼女は自分の息子が親の財布から金を抜き取っていたという話をしてくれた。その時は、いずれ我が家でもそのようなことが起こるのだろうなあと思いながら、彼女の話を聞いていたのだが、その日はついにやってきた! 先日、我が家でも同様の出来事が起きたので、ここに報告する。

消えた1万円札


ことの始まりは1月25日のこと。その日、私は夕方からの勤務だった。仕事の前に銀行に寄って自分の口座に1万円を入金するつもりだったので、いつもよりも早目に支度をしていた。我が家は小遣い制である。そしてこの1万円は今月の小遣い金の余りだった。財布の中身はまだ余裕があったので、この1万円は貯金しようと思っていた。財布に入れておくと使ってしまう恐れがあるので、私はこの1万円札を自分のディスクの引き出しに入れておいた。ちなみに最後にその存在を確認したのは先週の金曜日、1月22日のことだ。

話を戻そう。家を出る直前に引き出しを開けた私は一瞬目を疑い、次の瞬間驚愕した! そこにあるはずの1万円札がない! 何故ないんだ!? 数日前に確認したはずなのに!? そう思いながら、他の引き出しの中も、裏側も、デスクの周りも可能な限り探した。しかし、どこにも福澤諭吉の姿は見当たらなかった。

そういえば、何ヶ月か前にも同じようなことがあった。あると思っていたはずの金が無くなっていたのだ。あの時も1万円だった! 結局、あの時も金は見つからなかった。ただ、私も非常に忙しかったので、もしかしたら自分の勘違いで、本当は使ってしまったのだけど、それをすっかり忘れてしまったのかもしれないと思った。

しかし、今回は違う! メモ程度の簡単なものではあるが小遣い帳もつけている! 何よりも、先週末に1万円があるのを確認しているのだ。それ以降、現金で高額な買い物をした覚えもなければ、飲み会にも行っていない! 私は同僚の言葉を思い出していた。

「うちの息子が私のお財布からお金を抜き取っていたのよ!」

来たか!?

そうだ、とうとう、うちにもその時が来たんだ!!

息子(10歳・小4)が俺の引き出しを開けて、金を盗っている!?

では、以前金が無くなっていたのも、息子が!?

許すまじ!!!



私は外出中の妻に電話をかけた。

妻「どうしたの?」

私「大変なことが起きた。俺の福澤諭吉さんがいないんだ!」

妻「は? 何?」


私はデスクの引き出しにしまっておいた1万円が無くなったこと、もしかしたら息子が盗った可能性があること、以前にも似たようなことがあったことを手短に説明した。話を聞き終えた妻は、それとなく息子に話を聞いてみようか、と言った。しかし私はこの日は夜中まで仕事がはいっていた。どのみち、息子と話が出来るのは明日以降になってしまう。そこで、明日までちょっと様子をみたいと伝えて電話をきった。

さて、どうしたものか。もう、銀行に行く理由がなくなった。そこで、余った時間を使い、息子の部屋をチェックしてみることにした。でも時間の余裕はなかった。仕事に行かなければならないのもあるが、そろそろ息子が学校から帰って来る時間だったからだ。

息子がいつも遊びに持っていくリュックや財布が無造作に置かれていた。リュックの中に金は無く、その代わり、ドラゴンボールのカードが10枚程あった。財布の中には小銭があるのみであった。引き出しやカラーボックスの中もざっと見たが、そこには無いようだ。息子は自分の小遣いや家の手伝いで得た駄賃を缶のケースにしまっている。その中には2千円と小銭があった。その位の額の現金を持っていることは以前から私も妻も分かっていることなので、それは別にいい。

もう、使ってしまったのかな。そう思い、再びリュックの中を見る。ドラゴンボールのカード・・・。ん? これって、いわゆるレアカードじゃないのか? 正直、ドラゴンボールのカードに関しての知識は全く無い。しかし、素人目にも分かる。金ぴか箔押しだったりホログラムキラキラしてたり、これはレアなやつだよな。しかも、10枚以上あるぞ!!

そう言えば以前、息子が独りでカードやゲーム、リサイクル品を取り扱う中古ショップに行っていたことがあった。自宅からは結構離れた場所にあるのだが、息子は「今日は独りで公園にのんびりと散歩に行って来るよ」と言い、出て行った。そんなことを言うのは初めてだったので、めちゃめちゃ怪しかった。独りで散歩? そんな柄じゃねーだろっ? そう思ったが私は何も言わずに送り出した。持たせてある携帯のGPSは公園とは正反対の方向に向かっていた。やがてGPSが止まった地点。そこは千葉鑑定団船橋店であった!

その日、帰宅した息子に私は言った。

私「鑑定団行ってただろ?」

息子「え? う、うん。でも、何で分かったの?」

私「小学生が独りであのような店に行けば目立つ。色んな人が見ているんだよ」

息子「うん。ごめんなさい・・・」

勿論、GPS機能のことは今も伝えずにいる。

話を戻そう。

おそらく、息子はあれから何回も鑑定団に行ってるのではないか。そして、気に入ったドラゴンボールのレアカードを購入しているのではないだろうか? 私はそう推理した。そう言えば、週末も外に遊びに行っていたっけ。

ところで、このレアカードは一体どれ位の値段で取引されているんだろうか? 大体の相場を知りたいと思った私はヤフオクやアマゾンで同じデザインのカードを検索してみた。すると・・・! 100円や150円のもあるが、1500円~2500円で取引されているカードも数枚所持していることが分かった。さらに、部屋の奥からUFOキャッチャーで取ったと思われる、大量のグッズやぬいぐるみを発見! これだけの量は息子の小遣いじゃ取れない。正直、やつはへたくそだ。

この時点で私は確信していた。息子が私の1万円を盗ったに違いない。そして、これが1万円の使い道か。私は妻に状況を説明するためのメールを打つと、この日は仕事に行った。

 

息子にカマをかけてみた

 

翌日の夕方。

つまり、1月26日。帰宅した息子に私は言った。

私「今日は大事な用があるから遊びには行かないで家にいてね」

息子「どうしたの?」

私「大変だよ、息子! 泥棒が入った」

息子「泥棒?」

私「パパの引き出しからお金がなくなったんだ。前にもあったんだ。家の鍵も取り替えなきゃ駄目だな。何十万もかかるだろうな。ママが帰って来たら警察に電話することになってるから。」

息子「いくら盗られたの?」

私「1万円だよ、息子」

息子「えっ・・・。そうなんだ」

私「警察が来たら家族も皆指紋とって調べるだろうな。あと持ち物検査もやると思うから」


私は深刻な表情で、かつ大袈裟にあれこれと事の重大さを語ってみせた。実際に言っている内容はテキトーなんだけどね。とにかく、やべぇってことが息子に伝わらなくてはいけない。煽って煽りまくった。

それからだ。息子の様子が変だなと感じたのは。何が変なのか。一言で言えば、テンションが上がってる? それと、私に対して色々と探りを入れてくるような言動。例えば、「警察にはいつ電話するの?」、「前にはいくら盗られたの?」、「皆の荷物調べられるの?」・・・と細かいことを何回も聞きに来たし、とにかく気になっている様子であった。

極めつけは、

「パパー。警察の電話番号って、110でしょ? 僕にかけさせて!!」

と、意気揚々・のりのりである。こいつは何を言ってるんだ? こっちは1万円盗られてんだぞ。少ない小遣いやりくりしてるんだぞ! 深刻なんだよ!!

やがて妻が帰宅したので、どうやって切り出すかを相談した。夕食が終わったら、私が一番下と真ん中の子の面倒をみる。その間に妻は別室で息子に事情を聞くということになった。私は息子に伝えた。

「警察の人は都合が悪くなって、今日は来れないかもって」

実際にはそんなふざけた話はないと思うのだが、息子は「ああ、そうなんだー」と言っただけ。どういうわけか、食事中もやつは妙にテンションが高かったし、私が金を盗まれたという話題を強引に変えようとしたり、完全に怪しかった。私は妻と目を合わせ、頷いた。こいつはクロだ。後で聞いたところ、妻も同じように感じていたらしい。 

それからの息子の言動と行動はいちいちわざとらしかったし、それゆえにひどく滑稽に見えた。私は笑いが込み上げて来て、それを抑えるのに必死だった。

「馬鹿なやつ(笑)! そうやって笑っていられるのも今のうちだけだぞ!」

私は金を盗られたという怒りよりも、この時は可笑しくて可笑しくてしかたがなかった。素直に謝って反省すれば、厳重注意で許そう。1万円は返してもらうがな。

私は勝利を確信していた。これで1万円が戻ってくればあれも買えるし、これも買えるッ!!(←おい、貯金はどーした?)


しかしこの後、事件は思わぬ展開を迎えるのであった。


後編に続く

homuhomuhiro.hatenablog.jp