はじめに
BABYMETALを最初に知ったのはいつのことだったか? 恐らくは試しに購入した『ヘドバン』という雑誌に特集記事が載っているを読んだのが彼女達の音楽に触れるきっかけだったように思う。
結局のところ、『ヘドバン』を購入したのはその時一度きりだった。2013年に出版されたその時の『ヘドバン vol.2』はまだ手元にある。METALLICAの映画『Through The Never』公開直前ということもあり、大々的にMETALLICAが扱われ、スラッシュメタル特集が組まれている。そして、BABYMETAL。
とにかく、音を聴かなきゃ始まらないと思ったのだが、実際にYoutube等で彼女達のPVや曲をチェックしたのは大分後になってからだったと思う。当時の私はMETALLICAやスラッシュメタルを聴き直す毎日で忙しかったから。
「ヘドバンギャー!!」には思わず苦笑。でも、アイディアとしては面白いなと思った。次に観たPVは「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。悪くない? いや、メタリックなサウンドや曲の構成はまさに好みの音だ。最初のサビの後に訪れたブラストビートに悶絶。凄ぇ・・・! ただ、最初はこの歌詞が直球過ぎて、ちょっと恥ずかしかった。
迫力のあるメタルサウンドに負けないSU-METAL嬢の力強いヴォーカルも好印象だった。まだ若いんだろうなと思ったら、本当に若くておじさんは驚愕した覚えがある。こんなにも激しくてキレキレのダンスを踊りながら唄うんだから凄いよね。これは10代だから成せる技だよ。
気がつくと、iTunes storeで彼女達のアルバムをダウンロードしていたよ。でも、やっぱり最初に聴きまくったのは「イジメ、ダメ、ゼッタイ」や「メギツネ」、「紅月-アカツキ-」のような分かりやすい疾走メタルチューン。正直、アイドルソングとメタルが融合したような「いいね!」や「ド・キ・ド・キ☆モーニング」なんかは後回しにしていたな~。現在はメタルチューンもポップチューンもどれも同じように愛聴してるけどね。
BABYMETALは2014年にワールドツアーを開始し、その結果は海外で大ブレイク! 数々のメタル系のフェスにも出演し、海外のメタラーをノックダウンさせていった。10代の可憐な少女がビッグステージの上を所狭しと駆け回り、キレのあるダンスを披露しながら唄う。しかも、彼女達の曲を演奏するミュージシャン達も滅茶苦茶上手い訳ですよ。猛者共がひしめくメタルフェスでこんな光景を観た海外の奴らは度肝を抜かれたに違いない。
BABYMETALの音楽スタイルが良いとか悪いとか、彼女達がメタルだとかメタルじゃないとかはこの際置いておく。アイドルの要素(J-POP、ルックス、ダンス)とヘヴィ・メタルの要素(真正のメタルサウンド、メタルの偉大なる先人達に対するリスペクト)、そして和の要素が高次元で融合したものが日本からやって来た! 海外のメタラーにとって、それは衝撃以外の何物でもなかった。海外のメタラーはBABYMETALの出現に燃えた! そして萌えた!
レビュー
BABYMETAL『BABYMETAL』(2014年)
(1)BABYMETAL DEATH
(2)メギツネ
(3)ギミチョコ!!
(4)いいね!
(5)紅月-アカツキ-
(6)ド・キ・ド・キ☆モーニング
(7)おねだり大作戦
(8)4の歌
(9)ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
(10)Catch me if you can
(11)悪夢の輪舞曲
(12)ヘドバンギャー!!
(13)イジメ、ダメ、ゼッタイ
SU-METAL(vo / dance)、YUIMETAL(scream / dance)、MOAMETAL(scream / dance)
お気に入り度:★★★★★ ★★★★
(1)BABYMETAL DEATH
荘厳でシンフォニックなイントロを経て、デスラッシュなサウンドが炸裂! インスト+メンバーの自己紹介+デスヴォイスという構成で疾走していきます! とにかくこのカッコ良さは反則!!
(2)メギツネ
和風メタル! イントロのヘヴィサウンドに三味線の凛とした音色が響く! リフは非常にキャッチー。掛け声や合いの手にはお祭り的な要素があり、歌メロも演歌風なメロディーラインで構成されています。また、「さくらさくら」のメロディを取り入れたスローパートにも注目!! 名曲でしょう。
(3)ギミチョコ!!
イントロからスラッシーなリフで疾走・・・したと思いきや、YUIMETAL嬢とMOAMETAL嬢による擬音パートが炸裂! あっけにとられていると、SU-METAL嬢によるポップな歌メロが飛び込んできます。こうキタか! この歌メロ、一回聴いたらもう忘れません。間奏の高速ギターソロも実にスリリングでかっこいい。虜になる名曲!
(4)いいね!
ユーロビート的なサウンドとリズムで疾走開始! ヴォーカルが入るとインダストリアル風サウンドになり、歌メロは切なくキャッチーに! 更にはヒップポップ的なノリのダウンパートあり、デスヴォイスありと実に刺激的な曲! そうそう、ダウンパートでは、黄金虫は金持ちだーのメロディが登場。これまた名曲。いいね! いいね!
(5)紅月-アカツキ-
SU-METALソロ曲。ギターのアルペジオで静かに始まり、ピアノをバックにSU-METAL嬢が情感たっぷりに唄い上げ、その後スラッシーに疾走開始! PVでは彼女のヘッドバンギングも見ることが出来るぞ!! 切ない歌メロをフィーチュアしたメロディックスピードメタルです。どこまでも通る力強く、真っ直ぐな歌声が素晴らしい! 間奏部分のツインギターの掛け合いやハモリも最高!! X(X JAPAN)へのオマージュか!? この曲でSU-METAL嬢に惚れたッ!
(6)ド・キ・ド・キ☆モーニング
ポップで可愛い、コミカルなイントロ。ヴォーカルのワンコーラスが終わると、モダンヘヴィネス・サウンドが炸裂! 素晴らしいBメロからサビの、“リンッ・リンッ・リン~” の流れはもろアイドルソング!! ヘヴィネスとアイドルソングの完璧な融合だ! PVの振りつけも可愛いです。
(7)おねだり大作戦
YUIMETALとMOAMETALによるラップメタルな曲で、小悪魔系の歌詞を歌っています。まあ、普通ですかね。
(8)4の歌
こちらもYUIMETALとMOAMETALによる曲ですが、リフがカッコ良く緊張感に溢れたヘヴィ&疾走パートとキャッチーなパート、そしてスローダウンした後の気だるいレゲエ風パートという展開が面白いです。
(9)ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
「ド・キ・ド・キ☆モーニング」と対になる曲ですかね。いかにもアイドルソングな展開やキュートなヴォーカルとウィスパーヴォイス。それに対するデスヴォイスとヘヴィなミクスチャーサウンド。間奏部分では「きらきら星」のメロディが聴けます。
(10)Catch me if you can
このグルーヴ感がたまりません! インダストリアルメタルを彷彿させる演奏とサウンド。そこにキャッチーな歌メロが乗ります♪ 掛け声や合いの手もいいね! ラストの疾走パートも好き! BABYMETAL風かくれんぼソング。
(11)悪夢の輪舞曲
SU-METALソロ曲。ヘヴィで複雑なリフの中をSU-METAL嬢の力強く緊張感のあるヴォーカルが力強く通り抜けます。ダークでゴシック的な要素もある、隠れた名曲。
(12)ヘドバンギャー!!
2012年にリリースされたインディーズ時代のシングルです。クラシカルなイントロで「おおっ!」と思ったら、次の瞬間には“ヘドバン” 連呼しまくり(笑) PVでも激しくヘッドバンギングしてますね。Bメロとサビメロが凄くドラマティック!
(13)イジメ、ダメ、ゼッタイ
メロディック・パワーメタルです! 物哀しいピアノのイントロを耳にしただけで、もう胸が締め付けられそうになります。そして、SU-METAL嬢の優しくも、どこか寂しげな “ルールルー” で更に期待を高め、攻撃的なリフで疾走開始!! 印象的なフレーズもぶち込んできます。Aメロのシリアスなヴォーカル、そしてBメロでのYUIMETAL嬢&MOAMETAL嬢の可愛い掛け声・・・! そして、サビは飛翔系のメロディを唄い上げるという王道パターンに悶絶すること請け合いです。サビの後はデス・ヴォイス&ブラストビートをぶち込んだ後に、激情的なツインリードが炸裂! 2回目のサビのはスローダウンして、再びピアノが登場。美しいピアノをバックに、何と、“語り” パートが! この辺りの展開も気分が高揚しますが、次いでツインギターの掛け合いが炸裂し、その凄まじさに完全にノックアウト。感動のエンディングへ!!
という感じで、まさにドラマティック・パワーメタルの王道を行く超名曲なのです! ただ、この歌詞に抵抗があるメタラーもいるだろうなとは思います。私も最初はそうでした。今となっては、どうでもいいことですがね。
今回、レビューをするために久々にアルバムを聴き直しましたが、BABYMETALにすっかりハマってしまいました。やばいです! 気になった方は是非チェックしてみて下さい!! 早く、2ndアルバムも聴かなきゃ!!