はじめに
皆さん、お餅は好きですか?
私は大好きです。
年末年始になると餅を食べる機会が増えますね。餅につきものなのが窒息。元旦から救急車がサイレンを鳴らして走っているのを見かけると「あ、お餅かな?」と思ってしまいます。一年間の中で最も餅による窒息事故が多いのがこの時期です。餅を喉に詰まらせるのは高齢者だけではないのですが、調べによると餅が原因で窒息して救急搬送された人の9割は65歳以上の高齢者なのだとか。
今回はなぜ餅が危険なのか、その理由と安全に餅を食べる方法について書きました。また、記事の最後には窒息時の救命処置の動画リンクを貼りましたので、是非参考になさって下さればと思います。
なぜ、餅が危険なのか?
言うまでもないことですが、他の食べ物に比べて圧倒的に粘着性があってネバネバしているからです! なので噛み切りにくいし、口の中にくっつきやすいので、スムーズに飲み込みにくくなります。
餅の性質上、30~40度という温度の時が最もくっつきやすいそうです。この温度は体温に近いですよね。口の中で噛んで、飲み込む頃がまさに餅がくっつきやすい状態になっているのです。
誤嚥した時に気道を塞いでしまい、これが他の食べ物だったら、ゲホゲホと咳をすることで改善されるのですが、餅は粘着性が高いので咳き込んでも外に出せない!
食べる側の問題
餅は良く噛んで、唾液と混ざることで詰まりにくくなるのですが、高齢者は唾液の分泌量が減るので、餅が口や咽にへばりつきます。
嚥下反射(食べ物を咽から食道に送る働き)や食べ物を飲み込む力自体が低下しているので、このような状態で餅に挑むのは危険と言えるでしょう。
1年中餅を食べている人ならまだしも、殆どの人が餅は1月に集中して食べることが多いのではないでしょうか? とすると、1年振りに食べる訳です。この1年の間で知らず知らずのうち嚥下機能が低下していたとしたら・・・? 危険ですよね。
それでも食べたいあなたに
分かります! 餅美味しいですものね。
でも、食べ方を工夫することで、窒息を予防することができます。
ただ、その前に。
餅はひとりで食べるな!!
これに尽きます。
これは高齢者に限らずです。
どんなに安全に餅を食べるための工夫をしていても、ひとりで食べていて、もしうっかりでも詰まったら完全にアウト! バッドエンドですからね。
助けてくれる人がいる状況で食べるようにしましょう。
しかし、普段から食事でムセることが多い・飲み込みが悪くなってきたと自覚している方は餅は止めた方がいいでしょう。
本当に危険ですからね。
さて、餅を安全に食べるために具体的にどのような工夫をすればいいのか。
- あらかじめ、水やお茶を飲んで口腔内を湿らせておく。
- 食べやすい大きさに切る。
- ゆっくりと噛んで、唾液とよく混ぜる。
- 食べるなら汁物が良い(雑煮がおすすめです)
- 食事中の会話はしない。声を出している時は気道が開いているので、何かの拍子に餅が気道を塞いでしまう危険性もあります。餅を食べる時は集中しましょう。
そう、餅は命がけ。
私もいつかは餅を卒業する日が来るのでしょうか?
それとも・・・?
ー数十年後ー
私「うっ・・・!」
(やべ!やっちまった。わ、忘れていた、餅の強さ)
(く、苦しい。誰か助けて・・・誰もいな・・い)
餅「ふふ・・・1年のうちに老いたな」
私「---------------。」
-BAD END-
こうならないように、気をつけたいと思います。
最後に窒息の際の救命処置について解説している動画を貼っておきますので、是非、参考にしていただければと思います。窒息は気をつけていても起こりうる事故です。窒息直後の対応が的確で早いほど命を救うことができますので。